3.長く働ける保育所選びのポイント

職場環境をチェック

職場環境をチェックする際は、求人情報だけでなく、公式サイトを確認し、実際に施設を見学することをおすすめします。働きやすさの観点から、子どもたちの様子、職員同士のコミュニケーション、衛生面などを確認しましょう。

職員の人数をチェック

職員の数が少ない場合、一人ひとりにかかる負担が大きくなります。とくに求人で即日採用OKをうたう職場は人手不足の可能性があります。公式サイトや面接中に子どもと職員の人数を確認しましょう。

福利厚生や昇給システムもチェック

基本給とは別に支給される手当によっては、年収が大幅に上がる可能性もあります。例えば、認可保育施設を対象として国から支給される「処遇改善手当て」や「保育士宿舎借り上げ支援事業」などを活用している職場であれば、給与に関する不満の一部を解消できるでしょう。

一方、入職時の給料が高くても、昇給が少なければ、数年後には給料が低いと感じる可能性もあります。その職場で長く働くためにも、昇給や昇進の条件も確認しましょう。

tips|公立保育所に転職するメリット・デメリット公務員保育士として、公立保育所に転職する大きなメリットは働きやすさです。職員の人数が決まっていて仕事の量が安定しているうえ、勤務年数に応じて昇給していくため、キャリアプランを考えやすい職場といえるでしょう。

一方、デメリットとして就職難易度の高さが挙げられます。公務員保育士試験で、筆記・面接・実技などに合格する必要があります。また、数年ごとに異動があるため、子どもたちの成長を最後まで見届けられない点もデメリットといえるでしょう。

なお、自治体ごとに、待遇や勤務条件、試験の内容や日程などは多少異なります。

(広告の後にも続きます)

4.保育士が活躍できる保育所以外の就職先

児童発達支援・放課後等デイサービス

児童発達支援(児発)と放課後等デイサービス(放デイ)は、障がいがある子どものための児童福祉サービスです。児発は6歳までの未就学児、放デイは原則として小学校に入学する6歳から高等学校を卒業する18歳までの就学児を対象に、一人ひとりに合わせた発達支援をおこないます。

児童発達支援や放課後等デイサービスで働く保育士は、児童発達支援管理責任者が作成した個別支援計画に沿って、子どもたちと遊びや創作、自立支援の訓練などをおこないます。

病院や企業内の保育所

院内保育所・企業主導型保育所は、主に運営元の企業や病院で働く従業員の子どもを預かる保育施設です。仕事内容は、預かり、食事、お昼寝、遊びなど、一般的な保育所と大きな差はありません。ただし、異年齢保育となるケースが多いため、子どもの年齢に合わせて臨機応変な対応が必要になります。

雇用上は企業や病院の従業員となるため、給与や福利厚生などの待遇も運営元の基準に準じる点が特徴です。

児童養護施設

児童養護施設は、さまざまな事情によって家庭で生活できなくなった1歳から18歳までの子どもを、自立まで支援する入所施設です。施設で働く保育士は、保護者に代わって子どもたちの日常生活のサポートや心のケアをおこないます。

夕方から出勤する遅番や、施設に泊まり翌朝まで過ごす宿直勤務があるなど、一般的な保育士の職場とは異なる勤務体系が特徴です。10年以上一人の子どものそばで成長を見守ることもあり、子どもたちとの関わりがより深い仕事ともいえるでしょう。

放課後児童クラブ(学童保育)

放課後児童クラブ(学童保育)は、放課後や土日祝日、夏休みなどに小学生を受け入れ育成する施設です。主に遊びや活動、宿題のサポートなど、子どもたちが放課後に安心して過ごせる環境を提供します。

放課後児童クラブには公立と民営があります。公立は税金で運用されるため、利用料金が無料または安いという特徴があります。一方民営は、利用料金がやや高い分、預かり時間の柔軟さや独自のサービスを提供するなど、自由度の高さが特徴です。