自分と向き合い、自分を愛することが、自信へとつながる。

&Premium本誌での連載「&NAOKO 好きな時間、好きなもの。」でもおなじみのファッションエディター、スタイリストとして活躍している大草直子さん。1年ほどかけて書き下ろしたという新作エッセイ集『見て触って向き合って 自分らしく生きる 着る』が2024年10月16日に発売になる。体型や体調が変化する年代を経て気づいたことを、多岐にわたって綴った1冊だ。

「今回、久々に文章だけの本を出すことになったのですが、30代のときはおしゃれにまつわること以外、書くことがなかったんです。でも、今はおしゃれのことと同じくらい、書きたいテーマが風船のようにどんどん膨らんじゃって。長く生きていると、こんなに伝えたいことがあるんだなということに気づきました」

服選びのコツ、アクセサリーの着け方、美容や健康のこと、一緒に暮らしている猫のこと、そして家族との付き合い方まで、大草さんの経験を元にした大人の女性が参考になるTIPSが詰まっている。

「更年期を経験して、自分の生き方や中身、そして自分を包むパッケージであるおしゃれについて、文章化することは、これまでの自分を考え直すいい機会でした。心身ともに大きくバランスを崩す40代から50代にかけてこそ、タイトルにもつけた『見て触って向き合って』という言葉のように、自分の体や心に触れることを大切にしてほしいと願っています。本にも書きましたが、毎日2回、鏡で全裸を確認することなどが、歯磨きと同じように習慣になると、自分を愛せるようになるはず。ときにはおしゃれすることがめんどくさくなる日もあるけれど、そのときはちょっとお休みしてもいいんだよと自分に語りかければいいんです。自分を愛すること=自分を認めることにつながるから。今もたまに感じるのですが、もともと私は、人のことをうらやましがる性格で、比べがちでした。でも自分を認めることは、習慣と訓練によって、考え方もトレーニングできるんですよね。本に書いたような習慣を積み重ねていたら、気づけば、できるようになっていたんです。体のトレーニングも同じで、2週間続ければ、習慣になります。ストレッチポールに寝そべる、ボディクリームを塗るなどは、45秒くらいでできること。自分の体と向き合ったり、触ることって、自信と自律にもつながるので、絶対にやるべきことだと思います」

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大人になったからこそわかる、自分らしくおしゃれを楽しむためのコツ。

「ジュエリーをどこか1か所に集めてアイキャッチ」、「お金をかけるならどっち? 白いシャツかグレーのパンツか」、「似合わない、けれど、好きな色はボトムスに」など、大草さんらしいもの選びの指針となるTIPSも。

「あれ? 好きな服が似合わなくなってきたな、と最初に感じはじめるのは38歳くらいのときじゃないですかね。私はその時期を、”おしゃれ更年期”と呼んでいます。それを乗り越えて、本当の更年期に差しかかると、体重が増えたり、肌が敏感になる人もいて、服選び自体を見直す時期に。私の場合、ホルモン治療や体を動かすこと、自分を見つめ直すことをしているうちに、またおしゃれが楽しくなってきたんです。最近は、イタリアでカクテルドレスを着る機会があったのですが、ウエストだけシアーな素材になっているブラックドレスを着たところ、おしゃれにワクワクする自分が戻ってきました。今はまだ、これが自分のスタイルと決めつけず、いろんなアイテムにトライしたいですね。そして、70歳くらいになったときに、デニムとシンプルなニットに、赤い口紅を合わせるといったミニマルなスタイルを目指したいです」

他にも、「バッグよりも水素点滴ーーの理由」や「ファンデーションよりコンシーラーで立体感」など、気になる美容の話も盛りだくさん。いつもポジティブに人生を謳歌している大草さんならではの言葉を、日々の参考にしてみては?

For Better Life
「ベターライフのために大切にしていることはありますか?」

&Premiumが大切にしている「Better Life(より良き日々)」。それを叶えるためのヒントを大草さんに聞いてみました。

「寝る前に、自分に語りかける」:最近、新たに始めたのが、寝る前に胸に手を置き、「今日も1日頑張ったね、おつかれさま」と自分に語りかけること。奇妙だなと思われるかもしれませんが、意外と効果がある気がします。カーテンを閉めるように、一日の終わりの幕を自分できちんと引く。そうすることで、いろいろあったけど、今日も良かったと思えるんです。ハートのチャクラがある胸に手を当てることで、自分を愛おしく感じられるのもいい。寝る前に、猫を撫でて、モフモフするのも、いい日々を送るための活力になっています。

Book Information「見て触って向き合って 自分らしく着る 生きる」

著者:大草直子
定価:¥1,650(税込)
発行:マガジンハウス

大草直子ファッションエディター、スタイリスト

1972 年⽣まれ、東京都出⾝。⼤学卒業後、婦⼈画報社(現・ハースト婦⼈画報社)に⼊社。雑誌『ヴァンテーヌ』の編集に携わった後、独⽴。2019 年にメディア『AMARC(アマーク)』を⽴ち上げ、ファッション、ビューティ、⽣き⽅のレシピを毎⽇発信している。2021 年に「AMARC magazine」を発刊。ファッション誌、新聞、カタログを中⼼に活躍するかたわら、トークイベントの出演や執筆業にも精⼒的に取り組んでいる。

amarclife.com