田丸有子
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。
手紙で気持ちを伝えよう!
こんにちは。金木犀の香りがただよう季節になりましたね。お変わりなくお過ごしですか。
日々手紙を書く楽しみを味わっていますが、受け取ってくださる相手がいるからこそ成り立つのだと、最近特に強く実感しています。
手紙を書くとき、たいてい一人です。でも、書いている間中ずっと送る相手と心の中で会話をしているので一人の感覚はほぼありません。お互いにこの状態がずっと続くとは限らないですし、いつか変化が訪れ、やりとりができなくなる日がくるかもしれない。相手の存在は決して当たり前ではないのです。文末にはいつも「どうぞお元気でお過ごしください」などと相手の健康を祈るひとことを書き添えますが、その言葉の根底には感謝の気持ちが泉のように溢れています。手紙を書く相手として、いてくださってありがとうございます、という想いです。
手紙を書く相手がいる。それがどんなに有り難く仕合せなことか。そう噛みしめながら、今日も心を込めてしたためています。
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手紙トピック
テレビ番組「最高の一通 〜おせっかいな文具店 シロヤギ〜」をご存知でしょうか。手紙の書き方や文章に悩む人を、著名な作家が手助けして最高の一通に仕上げていく過程を映したものです。先日第3回が放送されました。
まず、どうしても伝えたいことがある人の書き慣れない手紙に真摯に向かっている姿に胸を打たれます。しっかり相手に気持ちを伝えるにはどう書いたら良いか、どの回も作家のアドバイスは学びになることばかり。言葉選び、相手と自分しかわからない具体的なエピソードを盛り込むなど文章の運び方、ちょっとした違いですが、それを元に書き直した手紙の素晴らしいこと! そして、受け取った人が手紙を読むまなざし。胸が熱くなります。手紙はその人そのもの、分身なのだと改めて実感します。毎回もらい泣きしてしまいますが、番組を見たあとの余韻がたまらなくすてきなのです。
不定期で放送されるので、今後もあるかどうかわかりませんが、頭の片隅に入れておいて、運よく番組を見つけたらぜひご覧になってみてください。