ひねくれた上司との会話で「そのネクタイ、オシャレですね」はNG。ご機嫌とりをしているとバレない、ひろゆきの“ズルい”言いまわし

仕事やプライベートで「なぜかうまくいく人」は、どんな言葉を使っているのか? 実は賢い人ほど、相手から期待通りのリアクションを引きだす「ズルくてうまい言いまわし」を日頃から駆使している。

どんな言葉を使えば物事がスムーズに進むのか? 様々なシチュエーションごとに「ダメな言い方」「うまい言い方」を解説した、ひろゆき氏の新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』から、テクニックの一部を紹介しよう。

◆ひねくれた上司とうまく付き合う会話術

仕事はできるが少々ひねくれた性格をした上司がいる。会話の話題作りをしようとこちらが服装や髪形を褒めても、「ダサいってこと? 目立つ?」などと返してくる。会話する機会が多い関係なだけにツラいが……こういった上司とも会話を盛り上げるテクニックは存在する。

◆ひねくれた人と対峙するときは、具体的な褒め方をしたほうがいい

仕事ができる人には、少々ひねくれた性格の人も多いです。しかも、そういう人は勘がいいので、言葉の裏側を察知する能力が高かったりします。

例えば、「そのネクタイ、オシャレですね!」と本心から褒めても、「これは社交辞令というか、『とりあえず言っておけばコミュニケーションが円滑に進むだろう』という挨拶みたいなものだろう」と裏読みされたり……。

その結果、「それってダサいってこと?」と、皮肉っぽい返事をする人もいるでしょう。

そんな人への対策として、質問形式にして“暗に褒める”という戦略が有効と言われたりします。

「そのネクタイ、オシャレですね」と直接的に褒めるのではなく、「そのネクタイ、どこで買ったんですか?」と聞く方法です。このような質問形式だと、話に乗ってくれて、そこから自分語りを披露する人も少なくないです。

ただ、なかには勘がよすぎてこの戦略が効かない人もいます。

というのも、本当に勘がいい人は「そのネクタイ、どこで買ったんですか?」と聞かれたら、「どこで買ったのか聞いてきた→自分の持ち物を褒めている→自分の機嫌をとろうとしている」と、即座に連想するからです。つまり、こちらがネクタイに興味があるのではなく、「本当はご機嫌とりをしているのでは?」とうがった見方をするのですね。

では、どうすべきか。勘のいいひねくれた人を相手にするときは、余計なことはせず、むしろきちんと説明したほうがいいです。

◆本当に褒めたいときは…

ポイントは具体的な説明をすること。ネクタイを褒めるなら、“どうオシャレなのか?”という説明を入れてください。単に「オシャレですね」と褒めているだけでは、それが本心ではないととられる可能性もあります。

「オシャレ」とか「カッコいい」とか「カワイイ」とか、具体性のない褒め言葉は、単に褒めたいだけの人が使う言葉だったりします。なので、本当に褒めたいのであれば具体性を持たせたほうがいい。

例えば「ネクタイの幾何学的な模様がオシャレですね」とか、「フラクタルになっているんですか?」とか、ネクタイそのものの柄に興味があることを伝えたり。

ほかにも「光沢から見ると、シルクのネクタイですか?」と素材を褒めるとか。そうやってネクタイ自体に興味があって話をしていることがわかるようにしたほうが、ヘタな勘ぐりをされないで済みますよ。

◆ひねくれた上司とうまく付き合うには…

× そのネクタイ、オシャレですね!

◎ 光沢から見ると、シルクのネクタイですか?

構成/杉原光徳(ミドルマン)

―[賢い人が自然とやっているズルい言いまわし]―

【ひろゆき】

西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』