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●編集部が見つけた、和菓子に恋しちゃう逸品。金沢で生まれた、おいしくて可愛い清香室町の「金澤文鳥」。その魅力をお届け!
日本の和菓子はなんでこんなにほっこりと愛らしく、美しいのでしょう? 眺めているだけで心が和み、目新しいかわいい逸品を見つけたら、小躍りして手に取ってしまいます。
最近出会った和菓子の中で一番、可愛い! と小躍りしたのがこちら。
石川県金沢市で創業70年以上の歴史ある和菓子屋『清香室町』の「金澤文鳥」です。実は2023年度グッドデザイン賞を受賞している話題の和菓子なのです。
パッケージに描かれた文鳥の和む顔つき、フォルム、色合い。どれをとっても愛くるしい! まるでチュンチュンと文鳥たちが、とまり木に寄り添っておしゃべりしているよう。しかも中身は金沢こだわりの素材をギュッと詰め込んでいるんです。
食べるとびっくりするほど、とっても斬新な味わいでした。では早速、開封してその魅力に迫ってみましょう。
文鳥は中身もすごいんです。斬新すぎる和菓子とは?
「止まり木によりそい文鳥」1890円。白に赤い帯のセンスのいいパッケージは贈り物に喜ばれそう!
「金澤文鳥」には誕生ストーリーがあります。それは要約するとこんなもの。
おいしいものを探してさすらう旅の文鳥が、
ある日金澤へやってきました。
金沢に魅せられた文鳥は旅をやめて、
金澤文鳥になりました。
そんな金澤文鳥が今回教えてくれるものは?(HPより)
この文鳥に包まれていたのは、新しい羊羹でした。
この物語は「金澤文鳥見聞録」として、商品にパッケージされていました。これがまた、ツボる可愛さ。「金澤文鳥」をストーリーから味わいまで、丁寧に商品化しているのが伝わってきます。
「金澤文鳥」には3つの味わいがあります。今回はその3種類をセットにした「止まり木によりそい文鳥」を買ってみました。
我が家のベランダに旅してきた「金澤文鳥」。左から「加賀紅茶味」、「白い珈琲味」、「加賀棒茶味」各2個ずつ。ここでもおいしいもの、見つけたかな?
箱を開けると、それぞれの個性を持った文鳥たちが顔を覗かせました。チュンチュン。
旅する文鳥がとまり木に寄り添っている−−そんな風情を再現してるんですね。文鳥が描かれた包み紙を解いてしまうのがもったいない……しばし、お茶でも啜りながら眺めましょう。
一口羊羹をアレンジした、金沢ならではの新しい羊羹
実は「金澤文鳥」、清香室町の定番和菓子である一口羊羹「北国宝生旅衣」から誕生した新しい羊羹なのです。もちろん、単なる羊羹じゃない。金沢で親しまれている加賀紅茶や加賀棒茶、金沢の素材をアレンジした、なんとも斬新で洋風なおいしさが詰まっているのです。
さあ、どんな味なのでしょう
黒い顔の文鳥を開くと、紅茶の香り? そう、こちらは「加賀紅茶味」。まろやかな加賀紅茶の甘味を上品な餡に合わせています。紅茶の風味と香りがたち、中にはイチジクやクランベリーなどのドライフルーツがごろごろ。甘さと酸味が合わさった味と食感も楽しい洋風羊羹です。
お茶にはもちろん、お酒のお供にもぴったり。ワインと一緒に味わったら、奥深い味わいがしみじみと広がりました。これは羊羹に馴染みがない、若い人も好きな味!
茶色い顔の文鳥は「加賀棒茶味」。餡の甘さと加賀棒茶の渋みが絶妙にマッチ! ピスタチオやアーモンドが入っていて、香ばしく、ザクザクとした食感に、羊羹のまったり感が合うんです。
白い文鳥はなんと、「白い珈琲味」。コーヒーの香りと風味がふわりと広がる羊羹に、大粒の能登大納言小豆を蜜漬けした「かのこ豆」を合わせています。ホクホクとした小豆の甘さに、コーヒーの風味がすごく合う!
手前から時計回りに「加賀紅茶味」「加賀棒茶味」「白い珈琲味」
羊羹で金沢の味覚をたっぷりと
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金沢の伝統的な素材を使った「金澤文鳥」。愛らしく、驚きのある香りと風味、なのに昔ながらの羊羹のおいしさもある、本当に新しい羊羹でした。あまりに可愛いのでお友達や母へのプレゼントにしたら大喜び。また文鳥、たくさん飼っちゃおうかな。
(撮影・文◎まみくま)
●DATA
『清香室町』の金澤文鳥
https://www.seika-muromachi.com/kanazawabunchou
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