42歳で気づいた「実は捨てても問題なかったモノ」3つ。バスタオルも不要だったワケは

 はじめましての方もはじめましてじゃない方もこんにちは。ミニマリストの阪口ゆうこ(@sakaguchiyuko___)です。


 生まれてからずっと、ものにまみれた暮らしをしてきました。20代前半で結婚出産し、カオスな暮らしに磨きがかかったタイミングから「もののお減らし」で一発逆転の人生を手に入れました。

 不要なものを持たない、足るを知る、小さく暮らす気持ちよさを知ってしまってからというもの、家は無双状態。悩みなし。ついでに「怒りの感情」までも捨ててしまったらしく24時間ヘラヘラして暮らしています。

 そんな私の暮らしを、どうか生ぬるい目で見てほしい。前回の記事に続いて、今回もミニマリストとして発信活動をしてきた経験をもとに、 これはなくても問題なかったぞ!というものを紹介します。

◆1:バスタオルはいらない

 バスタオルに関していちばん思っていたのは、隅々まで使い切っていないということ。そのくせえらくかさ張ること。この2点だ。かさばると、洗濯機の容量も食うし、収納面でもスペースを要する。

 私がチビだというのもあるが(153cm)、お風呂上がりに頭を拭いて、体を拭いても、真ん中のほうだけ使って端っこは全然ドライという状況が気になっていたのだ。貧乏性だと言ってくれて構わない。それに関しては、こちとら痛みを感じるほど自覚を持って生きている。

 バスタオルとして生まれてきたのだから、全力でご主人様に仕えたい。できるだけ体の水分を拭き取って、自身の隅々まで水分を含ませていただきたい。これでは不完全燃焼だ……。と、ここまでバスタオルの気持ちを考える人も少ないだろうが、バスタオルの思いを代弁するとしたらこうだ。

 そこで考えたのが、「タオルが大きいのなら小さくすればいいじゃない」という、まさに単純な脳みそを保有する私らしい答えだった。しかし、それは大当たりだった。

◆「ビッグフェイスタオル」で代用

 フェイスタオルとバスタオルのいいとこどりと言っていいのではないだろうか、巷では「ビッグフェイスタオル」というものがある。「ミニバスタオル」という名称でも同様のものが売られている。

 それは、フェイスタオルよりも少し幅があり長さもあり、バスタオルのようにボリュームがあるという、まさに私が望んでいたものだった。お風呂上がりに使用すれば、余すことなくタオルの隅まで水分を吸ってくれて、その「使い切った感」は私の貧乏性の部分の満足度を埋めてくれた。


 そして、収納スペースはバスタオルよりも省スペースで済む。サイズが小さくなるに伴い、洗濯乾燥機の容量を無駄に食うこともなくなった。もし、収納スペースに困っている方や、乾燥機のかさばりに困っている方がいたら一度検討してみてほしい。そして、バスタオルに「お前を隅々まで使い切りたいんだよー!」と、私のように貧乏性を拗らせている方にも。

◆2:オーブントースターの掃除問題

 それぞれの家庭で使い方があると思うが、我が家がオーブントースターを使用するときは主にパン、時々モチ……ぐらいだった。今現在書きながら震えている、本当にそれぐらいだった気がする。

 週末にパンを食べる確率が高い我が家としては、手軽に簡単にパンが上手に焼けるというメリットは捨てきれなかったのだ。オーブンレンジは持っているが、それで焼こうとしたら、オーブントースターで焼くよりも倍の8分を要する。なぜだか時短の部分が譲れなかった。

 しかし、私はオーブントースターの掃除が「この世の嫌いなことランキング」の上位にあったために、ずっとモヤモヤしていた。ちなみに今の「この世の嫌いなことランキング」は、1位が戦争2位が口内炎3位がマラソンである。10年以上変わっていない。

 当時、掃除がしやすい仕様のオーブントースターを購入したはずなのだが(私が複雑な仕様のものを買うとは絶対に思えない)、それでも掃除が面倒くさくて、放置気味だったのだ。「家族の誰かがやればよい」そう思っているものほど家族の全員がやりたくない。美しさを感じるほど、徹底して誰も掃除をしなかった。

 トースターの扉を開けるたびに、網の下のパンくずが、「奥さん! 掃除ですか! そろそろ掃除どきですよね!?」と、語りかけてきたが(幻聴)、それを無視すると自己嫌悪タイムがもれなく伴うため、パンを焼くたびに精神的なパワーを大きく要した。

◆「フライパン用アルミホイル」でパンが焼ける?

 誰もしないんだったら私がする!ではなく、誰もしないんだったらやめちまおう!が、スローガンの我が家に転機が訪れたのはある日のこと。なんとなく「フライパン用アルミホイル」でパンが焼けるかなと思った。この商品はフライパンに敷いて肉や魚を焼くと焦げ付きにくいという商品だ。魚焼きに愛用していた。

 お察しの通り、魚焼きグリルはオーブントースターよりも掃除が嫌いな家電だった。いや、嫌いなんてもんじゃない、控えめに言ってあの作業を呪っていた。というのも、嫌いの感情が強すぎて、本能が魚を焼いたあとの掃除を後回しにしてしまうのだ。

 これは人体の不思議。遺伝子に組み込まれているとしか思えない。後回しにしてスルーした結果、数日後に魚を焼く際、地獄絵図と化したゴテゴテのグリルと再会するのだ。それも、数十回。「もう、魚やめる」とまで発言した記憶がある。

 そのIHのグリルにアルミホイルを敷いてパンを焼いてみると、4分でフカフカに焼き上がったのだ。しかも家族分が同時に焼ける。

 アルミを敷いているからパンくずが下に落ちなくて念入り掃除は要らない。何より、標準装備だからとしゃーなしで持ち腐れていたIHコンロのグリルが活用できる。これにはメリットが多すぎて、オーブントースターに別れを告げるのは容易だった。


 パンくずを掃除しなきゃとせかされることもなくなり(しないけど)、キッチンのスペースも大きく余裕ができた。オーブントースターがなくなっても、何も問題はなかった。強いて言えば、モチもグリルのほうが上手に焼けるという衝撃の発見があったくらいだ。

◆3:湯沸かしポットは便利だけど

 湯沸かしをしてくれる電気ケトルは便利だ。水を注いでボタンを押しておけば安全に沸騰までしてくれる。我が子が赤ちゃんの時はとても重宝した記憶がある。ミルクを作ったり、離乳食を作ったり。

 がしかし、どう考えてもヤカンのほうが早かった。電気ケトルが悪いのではない。ヤカンが優れているのだ。ステンレスのやかんは、水を入れてIHコンロで強モードで加熱すると、電気ケトルよりも多くの水を電気ケトルよりも早く沸騰させた。それで電気ケトルを手ばなした。

 そのことで、キッチンの棚に余裕ができた。どうやったら取り除けるか最後までわからなかったケトルの底の水垢に気を揉むこともなくなった。そしてそ

 の後しばらく、ヤカンライフを楽しんでいたが、ある日ヤカンの形状にこだわらなくてもよいのでは?と、ヤカンの汎用性の低さに気づいた。そして、普段から使っている鍋でお湯を沸かすことにした。今度はキッチンの引き出しの中に余裕ができた。

◆お湯を沸かす作業すらしなくなった

 そして現在、お湯を単体で欲するシーンが主に「お茶を作る時」だということに気づいて、お湯を沸かす作業すら滅多にしていない。

 お茶を作る手順は以下だ。電子レンジOKのお茶用のサーバーに水を入れて、チンをする。そしてホカホカになったお湯に茶葉を入れてお茶を作っている。電気ケトル? ヤカン? 鍋? 全部不要。直接サーバーにお茶を淹れることで、数々の「中間作業」をすっ飛ばすことに成功したのだ。


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 これらの3つは我が家になくても、なんの問題もなかった。むしろメリットを感じている。なんで持っているんだろう?という思いから紐解いていけば、持たなくても問題ないものは意外と多いのだ。

<TEXT/阪口ゆうこ>

【阪口ゆうこ】

1981年生まれ。整えアドバイザー。片付けや整えについてのブログ「HOME by REFRESHERS」を運営。コラムなどの執筆、セミナー開催を行う。著書に『ゆるミニマルのススメ』などがある。好きなものはビール、宴会、発信すること。嫌いなものは戦争、口内炎、マラソン。Instagram:@sakaguchiyuko___