生命保険は受取時の税金も重要です

ただし、生命保険の支払いは生命保険料控除だけ重視すれば良いという訳ではありません。死亡保険金、解約返戻金、満期保険金などを受け取る際に税金を納めるケースがあるからです。

上の表は一例として、A(夫)、B(妻)、C(子)として、死亡保険で受け取る死亡保険金の税金についてまとめたものです。

上記表での保険契約者(=保険料負担者)と被保険者が同じで受取人が配偶者の場合、死亡保険金は相続税の対象です。ただし配偶者は相続財産の半分もしくは1億6000万円までは相続税を納める必要がありません。そのため配偶者が死亡保険金を受け取ったとしても相続税を納めるケースはそれほど多くありません。

一方の保険契約者と受取人が夫、被保険者が妻というような契約形態では、死亡保険金に対して所得税が課せられますが、所得税や住民税には死亡保険金に対する控除の仕組みがありません。そのため保険金額によっては受取人に大きな税負担が発生する可能性があります。

またのケースは保険料負担者・被保険者・受取人がいずれも異なるパターンです。この場合、死亡保険金は夫から子どもへの贈与という扱いになり贈与税の対象になります。贈与税は相続税や所得税よりも税率が高く、高額の税負担が発生する可能性があるため避けた方が良いでしょう。

これらを考えると、収入の多い少ないに関わらず、被保険者(保険の対象になる人)が亡くなった場合や解約すればお金が戻るような保険は、個人年金保険を含め、契約者(保険料負担者)と被保険者が同じであることが望ましいでしょう。

なお医療保険やがん保険などで受け取る入院給付金やがん一時金などは非課税で、保険料を負担する人と保険の対象者の関係は死亡保険ほどシビアではありません。

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家を買うときの控除について


住宅ローン
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住宅を購入する際に一定の条件を満たすと、年末の住宅ローン残高に応じて納税した税金の一部が戻ってくる「住宅ローン控除」という仕組みがあります。この住宅ローン控除は住宅を購入する人にとって非常に有利な制度ですが、優遇しすぎという声もあり、2022年1月現在、見直しが検討されています。

控除の詳細は割愛しますが、将来Sさんが家を買うときにも何らかの控除に関する仕組みがあると思います。ぜひアンテナをはって情報を探してみてください。

*2022年1月現在、住宅ローン控除の内容が政府・国会で検討されており控除率や期間などは詳細未定です。