October.18 – October.24, 2024

Saturday Morning

Title.
Lovers’ Carvings
Artist.
Bibio 暑い夏が過ぎて風が涼しげに乾いてくると、休日の朝は逆に少し早起きすることがある。家の人たちが起き出してくるまでの少しの時間、ひとりで朝の静かな空気の中でぼんやりしてみる。あんなに激しかった夏の太陽も今は穏やかで、それならこちらも穏やかな心持ちになってあげてもいいかなと思う。
「Lovers’ Carvings」のギターのアルペジオは秋の街の通りに思わず繰り出したくなるような音色だ。美しく重なるギターセクションを通り抜けてリズムが刻まれ、Bibioの涼しげで儚いボーカルが聴こえてくる頃には、もう素敵な秋の週末の雰囲気が漂っている。(関口シンゴ)
アルバム『Ambivalence Avenue』収録。

Sunday Night

Title.
Breezy
Artist.
Wouter Hamel 過ごしやすい気候の10月の週の終わり。ジャズでもかけながら本を読むのも捨て難いけれど、そこまでゆったりするのももったいない。そんな気分の時、僕ならウーターへメルの「Breezy」を聴きます。ジャジーでムードがありながら、ノリの良いビートがまだまだ休日の解放感を味わわせてくれる。でもただ楽しげなだけでないアンニュイさが、日曜の夜特有の物憂げな気分に寄り添って慰めてくれるんじゃないかな、と。
そう、平日だって楽しいこと沢山あるさって言っているように聴こえなくもない。深く考えないで軽やかに週末を締めくくるのも悪くないですね。
(関口シンゴ)
アルバム『Hamel』収録。

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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ミュージシャン Ovall (オーバル)

Shingo Suzuki、mabanua、関口シンゴによるトリオバンド。メンバー全員がソロアーティスト/ミュージシャン/プロデューサーとしても活動するマルチプレイヤー集団。2006年から現メンバーでの活動を本格化、現在に至るまでジャンルよりもミュージシャンシップを軸に置く姿勢を貫く。ジャズ、ソウル、ヒップホップ、ロックを同列に並べ、生演奏もサンプリングもシームレスに往復し、楕円(オーバル)のグルーヴの中に音を投げ込む。その斬新なスタイルと唯一無二のサウンドは徐々に時代を吸い寄せ、国内外の映像作家、映画監督、そして様々なアーティストからプロデュースやコラボレーションの依頼が殺到。それぞれがソロ活動を活発化させるが、個々が多忙を極めたことが諸刃の剣となり2013年にバンド活動を休止、それぞれの表現を追い求め始める。しかし「この3人ならではのアンサンブルが聴きたい」という要望が絶えず、メンバーもその思いに応える形で、4年の歳月を経て2017年に再始動。直後よりFUJI ROCK FESTIVALなど国内の大型フェスに出演、そして世界中のアーティストとのコラボレーションや海外でのライブツアーも行う。ソロ活動で培ったスキルやノウハウをお互いに持ち寄り、今日もバンドは楕円を描きながら転がり続ける。