今月の特集
「暮らしを楽しむ、手仕事と民芸」

地域に根ざした人々の生活のなかで生まれた民芸や、作り手の思いが込められた手仕事の日用品。歴史と伝統のなかで育まれた技術によって作りだされる、美しい暮らしの道具。その魅力をていねいに感じ取り、いまのライフスタイルに上手に取り入れていくことは、これからのBetter Lifeをより心地よく、温かなものにしてくれるのではないでしょうか。来年は柳宗悦らが提唱した「民藝」という言葉が生まれてから100年を迎える節目の年。私たちを取り巻く社会もテクノロジーも大きく変化していくなか、あらためてその心と楽しみについても見つめ直してみたいと思います。

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今の暮らしになじむ、手仕事の道具。


花器としても使える「ペリカンピッチャー」は、琉球ガラスの伝統を守り続ける『奥原硝子製造所』で再生ガラスで作られたアイテム。役目を終えた窓ガラスが使われている。イタリアの水差しをデザインのベースにした、大きく広げたペリカンの嘴のような注ぎ口がチャーミング。この形は、水に入れた氷や食材を受け止めるという実用性もある。


自然を描いているかのような釉薬表現が魅力のぐい呑みは、島根県松江市で作陶している津田堅司によるもの。島根の土や釉薬が使われており、手馴染みがよく、日本酒はもちろん台湾茶などを飲むときにも使えそう。


飛騨高山の『やわい屋』店主、朝倉圭一さん、佳子さん夫妻のリビングでは、柚木沙弥郎のねこ柄のクッションカバーが愛用されていた。


木彫りの熊は、北海道旭川で活動する彫刻家、佐藤憲治の作品。インテリアスタイリスト島尊行さんの部屋には世界各国のクラフトが並ぶ。