人と人をつなぐコミューナルブルーイングを目指し、魅力的なクラフトビールをリリースし続ける「TOKYO ALEWORKS」の運営会社「スコッチモルト販売」が、新たな取り組みとして、「板橋カスクビレッジホテル」をオープンした。「東京と世界をつなぐ架け橋に」が次の目標だ。
文:並河真吾 写真:津久井耀平
2023年3月のオープンから4ヵ月。早くも話題が話題を呼び、世界中からの宿泊予約が引きも切らない。「外国人ユーチューバーの方が取り上げてくださったり、SNS によって口コミが広がったり、喜ばしいスタートを切ることができました」とは、「スコッチモルト販売」の広報企画担当・島村尊光さんだ。
東京都板橋区板橋 1-8-4
営/ [タップルーム] 17:00 ~ 23:00(L.O.フード 22:00、ドリンク22:30) 土日祝11:30 ~ 23:00(L.O.フード22:00、
ドリン ク22:30) 休/月 ※月が祝日の場合営業、翌火休
※予約や問合せは公式Webのフォームより
Itabashi Cask Village
東京板橋にブリューパ&カフェ・テイスィングルムワバを併設した、お酒特化宿泊施。「Itabashi Cask Village」は、板橋駅から徒歩で5分の場所にある、まさに東京の玄関口にふさわしい宿です。お酒を象徴する「樽(Cask)」と人が集まる「場所(Village)」との思いを込めて東京の板橋に「宿場」を提供します。
caskvillage.com
1階に「TOKYO ALEWORKS」を構える自社ビルの2階と3階の12室をリノベーションし、ホテルとして運営するという計画は、以前から実現の機会を窺っていたものだという。「板橋カスクビレッジとい う名前を冠したのは、かつて江戸の四宿の玄関口であった東京の『板橋』が、魅力的なビール造りによって人を集める『名所(ビレッジ)』として、『樽(カスク)』熟成のように円熟していくことを願ってのもの。至福のひと時を過ごして貰えるサービスをご提供していきたいと考えています」
案内して貰った客室は、各々に設けたコンセプトによって内装デザインを変えてある。「全室コンドミニアムになっており、こちらの207号室はスコティッシュ風がコンセプト。シックで落ち着きのある空間に仕上げました。キッチン付きで長期滞在にもおすすめです」
部屋の中央にはビアサーバーが!
「当ホテルの目玉商品となっています(笑)。1階のブルワリーで手掛けたフレッシュな樽生をつながせて貰いますので、思う存分お楽しみください(ビアサーバー備え付けの部屋は全部で4室。 それ以外の部屋に宿泊する場合は、移動式を1台用意しているそうなので事前に希望予約を)」
とても興味深い話を聞かせて貰った。
「飯田侃家文書(板橋区指定有形文化財)という史料に、明治6年に下板橋宿で『ヒイル酒(ビールのこと)』が造られていたとの記述があるのです。 もしかすると板橋が、東京のビール発祥の地であった可能性があります」
島村さんは長い時間を過ごしてきた板橋が、「ビールとゆかりのある場所」であったことに大きな喜びと運命的なものを感じているという。「ますますビールで板橋を盛り上げていきたいとの気持ちが強くなりました」
今後は近所のブルワリーと連携した「クラフトビール飲み歩きマップ」の作成や「ヒイル酒」に着想を得た板橋ならではのビール造りなども構想中とのこと。
板橋がクラフトビールの街として、世界中から注目される日が来ることを期待したい。
※提供ビールの銘柄や価格は取材当時のものです。