失敗しないブルーベリー栽培のコツ

1. 酸性土壌を用意する

ブルーベリーはpHが4.5〜5.5の酸性土壌を好みます。すでに調整された市販の「ブルーベリー用土」を使うか、土にピートモスを混ぜるとよいです。

2. 日当たりと風通しを確保する

ブルーベリーは日光を十分に浴びる場所で育てることで、甘い果実が実ります。たわわに実をならせるには、少なくとも1日6時間の日照が必要です。明るい日陰でもOK。寒さにはとても強く寒冷地でも屋外で容易に冬越し可能ですが、夏の暑さや夕方の強い西日は苦手なので、風通しを確保し、移動可能な鉢植え栽培のほうが育てやすいかもしれません。

3. 定期的な水やり

ブルーベリーは表土に近いところに根を張る性質があり、乾燥に弱いです。季節によって生育のスピードが異なるので、それに合わせて水やりの頻度も変えますが、特に春先の芽出しの頃から実がなるまでは、水切れに注意する必要があります。基本的には土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでしっかりと水を与えます。

4. 肥料の管理

毎年春に肥料を与えるのが最も効果的です。酸性肥料や、粒状肥料、液体肥料を好みます。堆肥は植物を傷めるので避けましょう。コーヒーかすは、土壌を酸性化するのに役立つ安価な自家製ブルーベリー肥料です! 時々、使い終わったコーヒーかすを土の上にまくのもおすすめです。

5. 剪定

ブルーベリーの苗木を毎年剪定することで、樹形を保っておいしい実をたくさん収穫することができます。ブルーベリーは1〜2年経った枝に花を咲かせ、実をつけるので、買ったばかりの株は剪定の必要はありません。若い株の場合も枯れた枝を春に落とす程度で十分です。株が3年以上経過したら、毎年休眠中に剪定します。剪定する枝は以下の通りです。

内向きの枝の剪定/木の中心に向かって伸びる枝や下に向かって伸びる枝は、風通しや日光を遮るため、剪定します。

弱い枝、枯れ枝の除去/枯れ枝や細く弱い枝は、剪定して木全体の活力を高めます。

高さの調整/高く伸びすぎた枝は、実がなりにくいので枝先から1/3程度を剪定します。

古い枝の剪定/株が混み合ってきたら、5年以上経過した古い枝は、根元から切り落とします。若い枝の発生を促し若返りを図るためです。

6. 植え替え

買ってきた直後、休眠期や休眠期に向かう時期であれば必ずしも植え替える必要はありません。春になると生育を開始するので、生育を開始する前の2月下旬、一回り大きな鉢に植え替えるとよいでしょう。鉢植えの場合、3年目以降は2〜3年に1回植え替えるようにしましょう。根を整理して、根詰まりを防ぐためです。

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ブルーベリーの一年の生育サイクル

ブルーベリーは休眠期と生育期があります。それぞれの時期で手入れを変えることが上手に育てるコツ。ブルーベリーの一年の生育サイクルを知っておきましょう。

1. 冬(休眠期)

ブルーベリーは落葉樹のため、冬には葉が落ちて木は休眠期に入ります。この時期は植物の成長が止まり、エネルギーを蓄えて春の成長に備えます。ただし、近年は暖冬気味で完全には落葉しない地域もあります。

【この時期の手入れ】

■剪定/ この時期に古い枝や病害虫に侵された枝を剪定することで、春に新しい健康な枝が育ちやすくなります。

■マルチング/寒冷地では根元にマルチングをすることで、霜や寒さから根を保護することができます。

■水やり/休眠期は根から吸い上げる水の量も減るので、1週間に2回程度が目安です。

*落葉しない地域ではこの時期に施肥をすると中途半端に芽が動いてしまうことがあるので控えます。

2. 春(発芽・開花期)

冬が終わり気温が上昇すると、ブルーベリーの木は休眠から覚め、芽吹きが始まります。3月頃から新芽が出て、4〜5月にかけて白や淡いピンク色の小さな花が咲きます。

【この時期の手入れ】

■施肥/春に新しい成長が始まるため、適量の肥料を与えることで、健康な成長と実のつきを促進します。特にブルーベリー専用の酸性土壌に適した肥料が効果的です。

■水やり/芽が出始めると盛んに水を吸い上げるようになります。乾きに注意して表土が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水やりをしましょう。

3. 夏(結実・収穫期)

花が咲いた後、6月頃から果実が徐々に成長し始めます。果実は最初緑色をしていますが、徐々に青紫色に変化し、完熟すると鮮やかなブルーム(白い粉)が現れます。

【この時期の手入れ】

■収穫/ 7月〜8月がブルーベリーの主な収穫期です。完熟の見極めは、色が濃い青紫になり、軽く触れただけで果実が自然にポロッと取れるタイミングです。

■水やり/夏は乾燥しやすいので、ブルーベリーの木がしっかりと水分を保てるよう、定期的な水やりが必要です。表土の乾きに弱いので、根圏環境を整えるバイオマイスターなどの土壌資材をマルチング材として用いるのもよいでしょう。

■剪定/伸びすぎた枝を枝先から1/3程度剪定します。

4. 秋(紅葉)

秋になるとブルーベリーの葉は紅葉します。気温が下がることで、植物の成長がゆっくりになり、一部の品種では、9〜10月まで果実が残ることもあります。甘さが増すため、最後の収穫を楽しむことができます。

【この時期の手入れ】

■水やり/生育がゆっくりになり暑さも和らぐため、水やりの頻度も夏より控えめにします。

このようにブルーベリーの栽培はとても簡単で、一年を通して魅力にあふれた果樹です。コンパクトで1株で実る「ブッシェル・アンド・ベリー」シリーズの登場で、より誰もが身近に育てられるようになったブルーベリーを自宅で楽しんでみませんか。

写真協力/エム・アンド・ビー・フローラ



Credit

文&写真(クレジット記載以外) / 3and garden



スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。