大股でさっそうと歩くのはカッコいいですが、実は外反母趾の人には不向き、と足指研究所・湯浅慶朗さんは言います。おすすめは足裏の筋肉を鍛える「小股歩き」! 外反母趾を改善する歩き方・小股歩きのポイントを伺いました。
大股歩き、足の健康にはNGなの!?
一般に、胸を張って大股で歩くのが「正しい歩き方」だとされています。
大股歩きは、モデル歩きのようで、一見格好よく見えます。しかし、大股で歩くときには、地面を足で蹴る際に、足指が十分に伸びていません。
歩くときに、ドスンドスンと大きな音がしたり、靴底の外側の減り方が大きかったりする場合には、大股歩きの傾向があると思ってください。
大股歩きが広まったのは、30年ほど前のジョギングブーム。ジョギングで突然死する人が増えて社会問題にもなりましたが、運動をまったくしないのも健康によくない。そこで、「ウォーキング」というブームが生まれたのです。
そのとき「正しい歩き方」とされたのが、広い歩幅で腕を振って歩くこと。着地するときはかかとから、そして、つま先で蹴り上げて前に進むことが推奨され、以降「大股で歩くことが正しい」とされてしまいました。
ウォーキングの本にも、「できるだけ大股で歩きましょう」なんて書いてあります。これは日本だけではなく、世界中に広まっています。
しかし、大股歩きはダイエットに効果的かもしれませんが、足の健康のためには不向きです。
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足の健康のためには小股歩きがおすすめ!
健康寿命を延ばすのに、早歩きがいいというのもよく言われることです。
「早く歩くこと=大股で歩く」と考える人が多いかもしれませんが、最近の研究では、大股歩きよりも小股歩きの方が早く歩けることが実証されています。
そればかりか、大股歩きは足の変形や機能低下の原因になることがわかっています。
歩幅が大き過ぎると、一歩踏み出すたびに膝の後ろが後方にロックされるため、普通に立っているときにも筋肉が伸び過ぎる傾向があり、足の変形を助長する可能性が高いのです。
また、歩幅が大きい大股歩きは、太ももの筋肉(ハムストリングスや大腿四頭筋)の力を使って前に進もうとしているだけに過ぎません。
その結果、足裏の筋肉やふくらはぎの筋肉を収縮させることで地面を蹴り、下半身に流れてきた血液を心臓に押し戻すという本来の足の機能が働きにくくなってしまいます。