育児休業給付金の期間延長手続き・審査の変更点
新しいルール
【画像出典元】「Daria Lukoiko/Shutterstock.com」
このような落選狙いの入所申請が、行政事務の負担を増加させているとして問題になり、2025年4月1日から育児休業給付金の延長手続きと要件が厳格化されることになりました。
育児休業給付金の支給手続きを行う公共職業安定所(ハローワーク)はこれまで、保育所の利用を申し込んだものの、当面入所ができないことについて市区町村が発行する「入所保留通知書」などで確認していました。2025年4月以降は、これまでの確認に加え「保育所の利用申し込みが速やかな職場復帰のために行われたものである」と認められることが必要となります。
具体的には、育児休業の延長申請を行う際に下記の書類が必要となります。
1.育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書
2.市区町村に保育所等の利用申し込みを行った時の申込書の写し
3.市区町村が発行する保育所等の利用ができない旨の通知(入所保留通知書、入所不承諾通知書など)
引用:厚生労働省「育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書」より一部抜粋
また育児休業給付金の支給期間延長には下記の1~3のすべての要件を満たさなければなりません。
1.あらかじめ市区町村に対して保育利用の申し込みを行っていること
2.速やかな職場復帰のため保育所等における保育の利用を希望しているものであると公共職業安定所長が認めること
3.子が1歳に達する日の翌日時点で保育所等の利用ができる見込みがないこと
2025年4月以降、延長申請を行うためにはハローワークでの確認が必須になります。ハローワークでは子が1歳になるまでに保育所の利用の申し込みを行っているか、また申込先の保育所が合理的な理由なく自宅から片道30分以上を要する施設だけになっていないか、市区町村に対して入所保留となることを希望していないか等を確認されます。これまで以上にお勤め先と育児休業についての相談が必要でしょう。
(広告の後にも続きます)
手続きや要件変更後の課題
もともと育児休業期間は原則1年というルールですが、保育所への入所を希望しても入所できない待機児童の問題もあり、事情があれば最長2年まで延長できるという特例が設けられました。
保育所に入りやすい4月に入所させようと考えると、誕生月によっては生後数カ月で預けなければならない家庭や、お子さんの状態などによっては1歳では預けることが状況的に難しい家庭、子供の成長をもう少し見守りたいという家庭にとっては、この延長制度は経済面も含めとても役立つ制度といえます。
ただしルールを厳格化することで、2025年3月までと4月以降の預け入れのタイミングで不公平感を覚える人も出てくるのではないでしょうか。