3.歯科衛生士を辞めたあとは?

歯科衛生士の主な退職理由にはさまざまな内容がありました。では、退職後はどのような進路をたどっているのでしょうか? 

歯科衛生士として別の職場へ転職

前職に対する不満やチャレンジしたいことがあれば、歯科衛生士として別の職場に転職することが考えられます。歯科衛生士の有効求人倍率は3.17倍と、全産業平均の1.29倍を大きく上回っています*。また、高齢化により、歯科診療所だけでなく訪問歯科や病院、介護施設におけるニーズも高まっています。

*歯科衛生士の求人倍率は厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」より、全産業平均は厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年3月分及び令和5年度分)について」より

需要のある歯科衛生士ですが、何の対策もしないで転職に臨むのは危険です。履歴書や職務経歴書、面接など以下の記事を参考に、それぞれのマナーやコツをおさえて挑みましょう。

歯科衛生士以外の職種にキャリアチェンジ

歯科衛生士の知識や経験を活かし、異なる業界・職種へ転職する人もいます。歯科衛生士は、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層の患者と接するため、コミュニケーションスキルや、協調性、傾聴力などさまざまなスキルが身につく仕事です。これらのスキルを活かして接客や販売、営業の仕事に就く人もいます。

また、医療・福祉業界に残り、歯科以外の分野に挑戦するのも一つの方法です。

仕事以外に専念

出産・育児や家庭の事情を理由に退職する歯科衛生士も一定数おり、退職後は仕事以外に専念する人も少なくありません。

退職した歯科衛生士を対象におこなった調査によると、再就職の意向は25〜29歳で最も高く、30代以降は徐々にその意向が減少する傾向にあります。年齢を重ねるごとに、親の介護をはじめとした個別の事情が増え、復職が難しくなると考えられます。また、ブランクが長期化することで、復職のハードルがさらに高くなることもあります。

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4.復職支援の活用や転職もアリ

歯科衛生士全体の約8割に転職経験があることから、離職率は比較的高い職種ということがわかりました。歯科衛生士が仕事を辞める理由は、出産・育児、結婚などのライフステージの変化に伴うものから、職場の人間関係、仕事内容とさまざまです。

高齢化の進展に伴い、歯科医療機関を受診する高齢患者数は増加しています。今後は、歯科診療所だけでなく在宅や介護保険施設、病院など、さまざまな施設で歯科衛生士のニーズが高まると期待されています。

国や自治体は、歯科衛生士の人材確保のために、離職した歯科衛生士を対象とした復職支援や、離職防止を目的とした研修事業を実施しています。ブランク明けの復職が不安な人は、こうした制度を利用するのもよいでしょう。

日本歯科衛生士会|歯科衛生士の復職支援・離職防止 技術修練研修センター

なるほど!ジョブメドレーでは、長期間のブランクを経て歯科衛生士として復職した人や、人間関係に悩んで転職した人などにインタビューをおこないました。

現職で悩みが改善されない場合、転職を視野に入れてみるのもよいでしょう。ジョブメドレーでは、診療科目の特徴や勤務地、給与など希望条件を絞って求人を探せます。今後のキャリアを見据えて、納得できる職場を探してみてください。

参考

​​公益社団法人日本歯科衛生士会|歯科衛生士の勤務実態調査報告書