「教養・学習・自己研鑽」や「ニュース」は幅広い年齢層に視聴されるコンテンツ

――「よく見るコンテンツ別」視聴時間をみると、ゲームやアニメをよく見ている人のスマホ動画を見ている時間が長い傾向があります。逆に「教養・学習・自己研鑽」や「ニュース」をよく見る人では短くなっています。
これは、言い方は不適切かもしれませんが、真面目な人ほどスマホ動画に没頭しないと理解していいのでしょうか。

佐藤仁さん スマホでゲームやアニメを視聴している人は、もともとスマホで動画を長時間視聴する傾向が高いと考えられます。

「教養・学習・自己研鑽」や「ニュース」は若年層だけでなく幅広い年齢層に視聴されるコンテンツなので、真面目な人ほどスマホで動画視聴に没頭しないというわけではないと思います。

簡易な(短時間の)「すぐにわかる〇〇」といった学習系の動画コンテンツも最近では大量に出回っていますが、しっかりと学習するような長時間の動画コンテンツなどは、スマホでなくテレビやパソコンで視聴している人も多いのかもしれません。

また、ニュースなどもスマホだけでなくテレビで視聴している人が多いと思います。

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スマホ動画を長時間見ても、しっかり勉強して青春を謳歌するのが今の若者。

――なるほど。しかし、現在74歳の私は10代の若者たちにあえて言いたい。君たち、二度と来ない青春を動画視聴に浪費していいのか。1日6時間以上もスマホ動画を見て、いつ勉強するのか。
スポーツとか、アウトドア活動とか、友人や仲間と生の交流とか。若者らしいことにもっと時間を使わないと、青春はあっという間に終わってしまうぞ、と……。こうしたオールド世代の心配についてはどう考えていますか。

佐藤仁さん 私たちの世代もテレビを長時間見ていましたが、勉強もやっていたし、アウトドア活動、仲間との交流はしていました。現在でもスマホで動画を長時間視聴していても、アウトドア活動、仲間との交流といった学校生活は謳歌していると思います。

また、若い世代の方はスマホのオンライン学習で勉強をしたり、電子書籍で読書をしたりしていることも多いです。現在の若い人たちはスマホが生活に密着したものになっているので、友達と過ごす時間の中に、スマホが入ってきているのかと思います。

ただ、スマホばかり見ていると視力が低下したり、夜眠れなくなったりすることもあります。メリハリをつけて、たとえば「夜10時以降はスマホを見ない」「寝る時には布団にスマホを持ち込まない」といったマイルールを作るのがよいと思います。

――今回の調査で、特に強調しておきたことがありますか。

佐藤仁さん 動画コンテンツは日々大量に作られてきています。またスマホも日用品として常に手元にあります。若年層だけでなく中高年層でもスマホでの動画視聴が広がっており、1日に2時間以上スマホで動画視聴している方が4割います。

1日1時間以上スマホで動画視聴している方は全体で6割を超えています。どの世代でもスマホでの動画視聴が浸透してきていますので、今後もスマホでの動画視聴の調査を続けていきたいです。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)