戻りガツオが美味しい季節!「カツオのたたき」の“たたき”ってどういう意味?

デート中やグルメな仲間との食事の際に、ちょっとした話のネタを持っておくと安心なもの。そんなときに便利な「グルメトリビア」をご紹介。

今回は、いまが旬の「カツオ」についてのクイズです。

答えに続けて、東京でおすすめの和食店もご紹介します!

気になる答えはこちら!



A:②手で叩く



【解説】

「カツオのたたき」は、保存技術のない時代、たくさん採れるカツオを食べるために高知で生み出されました。

ワラで表面をあぶることで、カツオ特有の生臭さが軽減される効果も。その調理工程の“たたき”とは、その名の通り“叩く”を意味しています。

あぶったカツオは厚めの刺身にし、上から塩やタレをかけて、手で叩いて味をなじませるのです。この「たたく」工程が「たたき」の由来であるといわれています。

叩いてなじませたら皿に盛り、にんにくの薄切りと、ねぎやたまねぎを散らし、さらに追いダレをかけて完成!

今は戻りガツオが美味しい季節です。ぜひ味わってみてください。



◆秋の味覚を食べに行きたい!東京を代表する和食5選



ここからは、東京で人気の和食店をご紹介します。いま、カツオはもちろん、鮭、さんまなども旬!秋の味覚を味わいに、足を運んでみてください。

1.代々木上原で人気のおしゃれな和食店『酒処 小林』



代々木上原で、いま最も人気の和食酒場がこちらの『酒処 小林』。

メニューをひらけば、ポテサラや刺盛り、だし巻きたまごなど定番の居酒屋メニューがずらりと並ぶ。ただその裏には、確かな技術が隠れる。

鼻腔をくすぐる出汁の香りや、素材の味が引き出されたシンプルな味付け。聞けば、料理長の小林拓哉さんは名店『乃木坂 しん』出身。割烹出身がゆえの丁寧な手仕事がひと皿に滲み出ているのだ。

「お刺身盛り合わせ」の旬のネタはいずれも料理長自ら毎朝市場で買い付けている。美しく鎮座する旬のネタ一つひとつに対する仕込みが光っている。人気と実力を兼ね備えた話題店だ。



2.女将が料理に合う最適なお酒をセレクトしてくれる人形町の名店『旬蕾』



古い建物や老舗が残る人形町の路地裏に掲げられた杉玉。それが『旬蕾』の目印だ。ひそやかなアプローチに始まり暖簾をくぐると、着物姿の女将・中村照葉さんが笑顔で出迎えてくれる。

毎日16時から営業しており、早めの時間はゆったりしているそう。味の良さはもちろん、安心できる素材選びにこだわり、妥協は一切なし。

この日の刺身はヤイトガツオ。背は塩わさび、腹は漬けにして薬味と一緒に。魚は九州の鮮魚店から仕入れる。

料理は和食を踏襲しながらも、焼売やチューリップ唐揚げ、アテ巻きなど、酒の杯が進む遊び心あるメニューが魅力。こんな店を行きつけに持ちたいものだ。



3.恵比寿の大人が集う和食店で、美味しい料理と会話を楽しむ『割烹 うづき』



恵比寿駅東口から“ガーデンプレイス”へ向かうエリアに『割烹 うづき』がある。店主の阿部誠司朗さんがこの地に店を移転したのは2017年。

「カウンター中心のこのサイズ感が気に入りました。お客様と近い距離で料理を出せるのがいいですね」と語る。口数は少ないが実直な仕事をしてくれる店主と、屈託のない笑顔の奥様のコンビに安心感がある。

料理は正統派な和食で、「太刀魚の雲丹巻き揚げ」など技が利いた料理に定評がある。「黒毛和牛のたたき」はやわらかく、とろける食感が楽しめる。

アラカルトで好きな料理も頼むもよし、「おまかせ」で委ねるのもよし。幸せなひと時を約束してくれる名店だ。



4.和と中華の融合を目指し、たどり着いた「よだれ鰹」が名作『の弥七』



新宿通りから車力門通りを入ってすぐのところに『の弥七』はある。

ベースは中華料理だが、和食のいいところを取り入れた、独自のスタイルを追求している。例えばスープベースに昆布を使うなど、本質的なところで挑戦を続けた。

たどり着いたひとつの頂点がこの「よだれ鰹」。みずみずしい初鰹の食感に絡む、黒酢ベースのコクあるタレがさわやかな赤身の旨さを引き立てる。香味野菜の清涼感に続いて立ち上る山椒と胡麻、そして、酢橘の香り。すべてが消え去った後で、ふいに、鼻から軽やかに辛みが抜けていく。

日本人なら誰もが愛する刺身を、中華の料理人としてどう表現すべきか。その発想に、店主の出身地・高知が結びついた。「好評で今は通年提供しています」とのこと。新鮮な味わいを体験してほしい。



5.一流の美味と、穏やかな空気感に心がときほぐされる『八雲うえず』



都立大学駅近く、昭和レトロな商店街の一角に佇む『八雲うえず』は、『赤坂 菊乃井』で料理長まで務めた店主が腕を振るう和食店。東京はもちろん世界中の美食家から注目を集めている一軒だ。

モダンな趣の中で際立つ檜のカウンター越しに供される料理が、名店の流れを汲むことは出汁の引き方だけを見ても明らか。

“菊乃井”も愛用する利尻の“蔵囲昆布”を55度で1時間煮出した後、枕崎の本枯節を合わせている。お椀で味わえば、馥郁たる香りと滋味を感じられる。

もちろん独自に美味しさを追求する努力も重ねており、例えば、仕入れる魚介はすべて自ら開拓した小田原・早川漁港の朝漁れ。

お造りなら、個々の魚の状態を見極め、キャビアやカラスミの塩気と合わせるなど、食べ方でもひと工夫。この秋、最高の和食へ足を運んでみてはいかがだろう。



このグルメトリビアの記事は、隔週の水曜日に公開します。お楽しみに!

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