日本初開催! 一流シェフが新たな食体験を提供し、シェフ同士の交流を促進させるイベント「ICSA(インターナショナル・シェフズ・サミット・アジア)」

アジア圏で活躍する一流シェフによって開催される食のサミット「ICSA(インターナショナル・シェフズ・サミット・アジア)」が初めて日本で開催されました。その舞台は栃木県、日光市にある「ザ・リッツ・カール

ーー世界的には女性シェフの認知度が日に日に高まっているように感じますが、日本で実際に活躍されている中ではどのように感じていますか。

加藤シェフ:「女性シェフ」と区切ること自体がどうなのかと最近感じてはいますが、それでもフェミニズムが今なぜ必要かを考えています。実は1980年代から現在2024年までの変化は大きくなく、1980年代以前の女性達が現在の私たちのために改革してきたことがとても多いんです。選挙権や、子どもを持つかどうかの選択肢や仕事をするしないの選択肢は今当たり前ですが1980年代以前は当たり前ではなかったんですよね。でも、私たちは後世の女性たちに残せるようなことを何もしていない。だから、シェフに限らず私自身ができることをやっていきたいなと動き始めているところです。

naoシェフ:日本では、女性シェフとして名前が上がる方は数えられるくらいですよね。たしかにハードな環境で、飲食を営み続けていくことは難しい。しかし女性だからできることもあると感じています。たとえば美的感覚やきめ細やかさ、繊細さなど、そういったものを私自身は伝えていきたいですし、輝いている女性シェフが一人でもいたら目指したいと思える職種になるのではないかと考えています。

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第二部

  • 【MAZ】Chef Santiago Fernandez
  • 【Eatanic Garden】Chef Son Jong Won(韓国)
  • 【Solbam】Chef Eom Tae Jun(韓国)
  • 【WING】Chef Vicky Cheng(香港)

右からChef Vicky、Chef Santiago、Chef Son、Chef Eom (@ICSA JAPAN)

二部では海外のシェフからもお話を伺いました。彼らのレストランの紹介から始まり、彼らの料理に与えるインスピレーションの源はどこか、という質問についても答えてくれました。

Chef Vicky:どこにでも存在していると思います。ファインダイニングだけでなくカジュアルなお店やストリートフードから想像を膨らませたりもしています。また市場に行くことが大変好きで、日曜日にまで訪れるので妻に怒られています(笑)。なぜ好きかというと、その季節に一番いいもの、今一番おいしいものは何かを発見する上で市場に通うことは私にとってとても重要です。

Chef Santiago:ペルーの風景と日本文化です。ペルーは標高の差が大きいので垂直(縦)のライン、日本には四季があるので水平(横)のライン。そこが交わるのが私の料理だと思っています。まだ日本に来て2年半ですが、日本の四季や文化をもっと勉強していきたいと思っていますし、自分のアイデンティティであるペルーの伝統も大切にしていきたいです。

Chef Son:私はアートが好きなので、アートからもインスピレーションを受けますが、日々キッチンにいて、シェフたちと料理をすること自体が1番のインスピレーションになっていると思います。調理の過程で、食材をたくさん切るなどの繰り返しになる作業がありますが、それを繰り返すことで、いかによりよくできるのかを考えることもインスピレーションの源のひとつです。

Chef Eom:今韓国料理にはオーセンティックなものとモダンなものとがあります。私のお店はモダンキュイジーヌですが、それをよくするためには、オーセンティックから昔ながらの技法や伝統を学ぶことだと思っています。また日本のおもてなしの精神にはとてもリスペクトを持っています。

ICSAの目的の一つでもあるシェフ同士の交流も、賑やかに行われていました (@ICSA JAPAN)

今回が日本初開催となったICSA。トップシェフの内面に迫ることで彼らの魅力を知り、またガストロノミーの最前線を知る素晴らしい機会でもありました。ICSAが今後、日本のシェフや外食業界にどのような影響を与えていくのか、今後の展望からも目が離せません。