3階建ての家で注意すべき点は?メリットやデメリットも解説

3階建てのデメリット

フロア間の移動負担

3階建ては2階建てと比べて、フロア間の上下移動による負担が増えます。間取りによっては洗濯物を抱えて上下階を行き来することが、日々のストレスや体への負担になることも。

また建てた当初はよくても、高齢になるにつれ足腰への負担が多くなる可能性もあります。3階建てを建てる際には負担の少ない間取りや動線計画をよく練ることが大切です。

 

フロア間の寒暖差

高さのある3階建ては、日当たりがよい3階と日当たりが悪い1階に寒暖差が生まれやすいデメリットがあります。

3階建てを建てるにあたり、日当たりや風通しをよくするために吹き抜けリビングを検討する人も多いでしょう。ただし温かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まりやすく、冷暖房効率が悪くなりがちです。屋内の寒暖差を解消するための対策もあわせて必要です。

 

プライバシーへの配慮が必要

3階建てが建てられる土地は隣家やビルとの距離が近い密集地域であることが多く、外部と目線が合いやすく生活音も伝わりやすいため、ストレスやトラブルに発展するケースもあります。

事前に周辺の環境を調査して、お互いのプライバシー確保のために隣家と窓の高さや位置をずらしたり、防音対策を施したりするなどの配慮が必要です。

 

土地の条件によっては高さ制限がかかる場合もある

3階建てを建てるにあたって押さえておくべき高さ制限は、「絶対高さ制限」のほかにも「斜線制限」があります。

「斜線制限」とは、隣地や道路の日照や風通しを確保したり圧迫感を和らげたりするための規制のことです。建設予定地の状況に応じて適用され、屋根の高さや勾配の調整対応が必要になると、家の外観に変更が必要になる場合があります。

 

坪当たりの建築費が2階建てより割高になる

3階建ては耐震性を高めるための構造や部材が必要となるほか、足場の設置費用も割高になります。そのため坪当たりの建築価格は、2階建ての約1.2倍程度になると理解しておくことが必要です。

ほかには2階建てにはない構造計算費、地盤が悪い場合は地盤改良費用が追加として必要になります。

 

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3階建ての家を建てるときの4つの注意点

1.建設予定地の法的条件を事前に把握しておく

 

1‐1.建設予定地の高さ制限について確認する

高さが魅力の3階建てですが、都市計画法や建設基準法による高さ制限について把握しておかないと、イメージとはかけ離れた外観や間取りになってしまい後悔することも。

建設候補地が決まったら、あらかじめ周辺状況や規制の有無と内容を確認しておきましょう。ハウスメーカーや工務店、役場の窓口などに問い合わせると、スムーズに教えてもらえます。

 

1‐2.火災防止のための基準を確認する

3階建ての建設予定地は密集地である場合が多いので、火災防止のための基準や対策についても把握しておきましょう。

建設予定地が「準防火地域」で地上3階建ての建築物の延べ面積が500平米以下の場合は、「3階建て建築物の技術的基準」に適合する建物を建てる必要があります。

具体的には屋根には燃えにくい資材を使用する、外壁と軒裏は必ず防火構造にするなどです。

 

2.立地に合わせて採光計画を立てる

3階建ては構造上また周囲の環境によって、特に1階部分は採光が難しくなります。

建設予定地の周辺状況を事前によく確認し、工務店やハウスメーカーともよく相談しながら、立地や条件に合わせた採光計画や間取りの工夫を考えましょう。

1階は日当たりを気にしなくて済む玄関とガレージスペースにして、日当たりのよい2・3階を居住空間にする方法もあります。

 

3.建物全体で空調計画を立てる

3階建ての家の寒暖差をなくすために、まず大切なことは外壁や屋根の気密性や断熱性を高めること。それとともに、建物全体で冷暖房や換気などの空調計画を立てることが大切です。

1~3階に空気の流れを作って循環させることで寒暖差を軽減し、冷暖房効率を高めることができます。吹き抜けリビングを採用する場合は、天井にシーリングファンを設置するとよいでしょう。上下の空気を循環させることで寒暖差の軽減に効果があるだけでなく、、見た目もおしゃれな仕上がりになります。

 

4.家事動線や老後の暮らしを意識して間取りを計画する

フロア間における移動の負担を軽減するためには、日々の家事動線や老後の暮らしをイメージして、合理的で暮らしやすい間取りや動線を計画することが大切です。衣類を「洗う・干す・乾かす」がワンフロアで完結できるよう、ランドリールームを設置する方法もあります。

老後のためにホームエレベーターを設置する場合は、別途初期費用とメンテナンスの費用が必要です。建てる際にはエレベーターの設置に必要な一畳程度(2人乗り)のスペースを確保しておき、必要になった時点で設置する方法もあります。

 

まとめ:メリットやデメリット、注意点を踏まえて、後悔しない3階建ての家を建てよう

今回は、高さのほかにも魅力がたくさんある3階建ての基礎知識について解説しました。

3階建てにはたくさんのメリットがある一方で、用途地域や高さ制限など、2階建てにはない条件や規制もあります。そのため、3階建てを建てる際にはデメリットや解消法、注意点を踏まえたうえで、計画に進むことが大切です。

この記事を参考に、ハウスメーカーや工務店としっかり相談を重ねて、後悔のない素敵な3階建てを実現させましょう。