ゴミを放置する“老夫婦の登山客”が放った衝撃の一言にドン引き…「若者より年配のほうがマナーが悪い」

秋の行楽シーズンを迎える中で、各地に旅行へ出かけている人も多いのではないだろうか。ただ、人が集まればそれだけトラブルが起きる可能性も高い。

今回話を聞いたのは、益田祥吾さん(仮名・31歳)。数年前からはじまったキャンプブームに合わせて、脱サラして地元でキャンプ場の経営をはじめた青年だ。ボランティアとして、山の環境美化運動にも参加しているそうだ。

◆登山道の“目立つ場所”で立ちションを…

「キャンプ場の経営をしながら、時間を見ては山のゴミ拾いや登山道でおかしなところがないかなど、パトロールを行っています。麓から頂上まで、普通に歩いて2時間ほどかかる山なのですが、毎年秋には多くの登山者が訪れますね」

行楽シーズンには、週に2~3回は山に登ってゴミ拾いを行っているという益田さん。その道中ではさまざまな登山客に会うそうだが、ここ最近ではマナーの悪さに頭を悩ませているとか。

「テレビや雑誌で紅葉の名所と紹介されることも多く、年々登山客が増えている状況です。また、登山道もなだらかなので、年配の登山者にも登りやすく人気になっている。ただ、困っているのが、そういった年配の登山者のマナーの悪さです。平気で立ちションする年配者も多くて。

生理現象なので仕方ないですが、そんなに登り降りで時間がかかる山でも無いのでなるべく我慢するか、見えないところでしてほしい。違反行為ではないので注意もできないですが、他の登山者に見えるところの場合は、一声かけさせてもらっています。ただ、大概は声を掛けると逆ギレされることが多い。特に登山歴が長そうな年配者が怒る傾向にあり、プライドが高いのか自分のような若造に注意されるのが頭にくるんでしょう」

◆山火事の可能性もあるから注意したら、

迷惑な行為は、なにも立ちションだけでない。

「山頂まで登って気持ちよくタバコを吸いたい気持ちはわかりますが、山火事の可能性もあるので注意させてもらいます。若い登山者は、こちらが山の管理を務めていることを話すと理解してやめてくれるのですが、やはり年配者は逆ギレパターンが多い。こちらも立ちションと同じで明確な禁止のルールがなく難しいのですが、山火事が起きる可能性もあるという観点で、注意をさせてもらっています。ただ、やはり年配者はつべこべ言われたくないという人が多く、言い合いになることもありストレスが非常にたまります」

◆ゴミを放置する老夫婦に「お前がもって帰れ」と…

一番困るのはやはりゴミのポイ捨てだという。益田さんは、ゴミの持ち帰りについて何度もトラブルにあっているそうだ。

「意外に思うかもしれないですが、ゴミを平気で捨てられる人が世の中にはいるんです。特に、山頂ではご飯を食べる人も多く、こっそりと岩陰や木の中に捨てていく人が多い。つい最近でも、自分が経営しているお店で買ったおにぎりとおかずの容器を、山頂に放置しようとしている老夫婦がいた。せめて所定の場所で捨ててほしいと説明すると、麓で食べ物を売っている店が悪いとキレ始め、お前がもって帰れと喧嘩腰で詰め寄ってきたんです。それ以上揉めるのも嫌なので仕方なく自分が引き取りましたが、マナーという概念が欠如している年配の登山者は結構いるんです」

人が増えれば必然的にマナーの悪い登山者も多くなるが、態度が悪いのは若者より山登りのベテランである老人が多いと益田さんは説明する。そこには、昔は良かったのに、なんでいまはダメなんだという勝手な思い込みがあるのではないかと説明する。

「コロナ禍もあって再び登山ブームが来て、マナーをしっかり守ろうという呼びかけが各所で行われています。自分が管理している山でも、麓に看板を立てたり啓蒙活動をしているところです。ただ、昔から登っている人からしたら、堅苦しくなって楽しくないという意見の登山者もいるんです。そういった人が、自分本位な言動をするんです。最近では、地元の消防や警察とも連携して、パトロールを強化している。少しでもマナーの悪い登山者がいなくなるように、ストレスはかかりますが、山のためにも頑張ってパトロールを続けています」

昔から「山には神様がいる」と言われ続けているが、老人にもなってマナー違反を続ける登山者は、一度自分の行動を見つめ直したほうが良いかもしれない。

<TEXT/高橋マナブ>

【高橋マナブ】

1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている