更年期に女性ホルモンが急激に減少することでおきる更年期障害を、ホルモンを補充することで穏やかにする治療法「ホルモン補充療法(HRT)」。実際に受けたいと思ったら知っておきたい、検査や、費用感、やめどきなどを解説します。
ホルモン補充療法(HRT)を始めたいと思ったらまず検査
ホルモン補充療法を始めるには、事前にいくつかの検査を受けます。また、投与方法や用いるホルモン製剤には種類があり、自分に合った方法を医師と相談しながら見つけることが大切です。安全に治療を受けるための基礎知識を知っておきましょう。
HRT(ホルモン補充療法)に必要な検査とは?
ホルモン補充療法(以下HRTとする)を希望する場合は、婦人科を受診して問診や全身の検査を受けることになります。
身長・体重・血圧・BMI(肥満度)などの測定、血液検査、婦人科がん検診(子宮頸がん・子宮体がん検査、内診、経腟超音波検査)、乳がん検診(マンモグラフィまたは超音波検査)。
今現れている症状が、本当に女性ホルモンの低下によるものなのかどうか、そうではなくて実は、甲状腺の病気、貧血、リウマチ・膠原病、肝臓や血管の病気がないかどうかなど、詳しく検査します。そもそも更年期は、心身の健康の大きな変換点であり、さまざまな病気も起きやすい時期なのです。
状態によってはHRTを受けられないこともあります。このとき、月経の状態や不正出血の有無などについても問診票に記入することになるので、こうした情報を受診前に簡単に整理しておくとスムーズに答えられるでしょう。
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ホルモン補充療法の費用は?
株式会社QLife(キューライフ)が、HRTを受けた500人を対象に2015年に調査した「更年期におけるホルモン補充療法(HRT)関する実態調査」によると、「ホルモン補充療法(HRT)で実際にかかった1か月あたりの平均費用(※検査代を含まない)」は、1か月あたり「1000~1999円(26.8%)」が最も多く、次いで「2000~4999円(20%)」、「1000円未満」(15.8%)。4割近くの方が、2000円未満で治療を受けられていることがわかります。
ホルモン補充療法は健康保険が適用されているため、多くの場合、比較的安価に治療を受けられます。