This Month Theme手仕事と民藝の奥深さに触れる本。

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Book of the Week『開講!木彫り熊概論 歴史と文化を旅する』北海道大学大学院文学院 文化多様性論講座 博物館学研究室 / 田村実咲 編著(文学通信)

木彫りの熊が人気だ。当店でも民藝関連の棚に本と一緒に並べていると、若い子たちが「可愛い!」なんて言って手にしてくれる。民藝品には違いないが、お土産品としての顔を持つ木彫り熊はこの令和の時代でレトロブームにうまく乗っかって、イヌやネコグッズと同列に語られるほどの地位を得た。とはいえ多くの家庭では押し入れや引き出しの片隅に仕舞い込まれ、もはや忘れられた存在となっているのも事実だ。昭和時代に巻き起こった北海道観光の流行で大衆に求められた木彫り熊たちは、どこからやって来てどのような旅路を経て、この先どんな未来に向かうのか──。クマにとって受難の時代だからこそ、その歴史と文化に思いを馳せてみるのもいい。

BOOKSHOP 本の轍

「本と雑貨」をハシゴして、ついでにコーヒーも飲めるブックストアがコンセプト。店主の好みと気分で選んだ古書や新刊書籍が3000冊ほど扱われている。「松山」にちなんだ本のセレクトも。店内では徳島の「aalto coffee」庄野雄治さんによる「本の轍オリジナルブレンド」を楽しむことができる。 住所:愛媛県松山市春日町13-10 小田原ビル101 営業時間:13:00~19:00 定休日:火・水曜(※変則あり、Instagramで確認できる)