需要が拡大し、空き家も増える首都圏。地価上昇率も上がり、外国人移住者も急増。リモートワークの普及や高齢化による住み替えなど、住宅市場全体に大きな地殻変動が起きている。結果、なかには「住むとヤバい街」も。現地事情に詳しい識者にランキング化してもらった。
今回は首都圏を対象にランキングを作成したが大阪の状況はどうだろうか。不動産投資家の岡田のぶゆき氏に話を聞いてきた。
◆全体的には活況でも二極化が進む大阪
万博など明るい話題が多い大阪。梅田にタワマンを複数保有する不動産投資家の岡田のぶゆき氏は強気を隠さない。
「東京の一等地のタワマンが坪3000万円なのに対して、大阪の一等地のタワマンは坪1000万円で購入可能。『東京の3分の1』という割安感が海外投資家を呼び込み、今後も値上がりが期待できます」
しかし大阪のタワマンならどこでも安泰とはいかない。
「梅田から北に一駅の十三に立つタワマンは、南側から淀川花火大会が見られる眺望が高ポイントです。しかし物件北側の駅までのアクセスはコテコテの大阪の下町。思い描くタワマンライフとのギャップを感じる人も多いのでは。タワマンは定期借地権付き物件がほとんど。その分安く買えますが、投資目的での購入はうまみがない」
あべのハルカスのお膝元、天王寺エリアに対しても慎重だ。
「現在の大阪の再開発トレンドは梅田駅−新大阪駅間。梅田の南側にある天王寺は街の伸び代が限られます。時間をかけて街が完成するのを待てる人でないとオススメできない。西成と近い点を好まない実需層もいます」
最後に挙げたのが大阪のベッドタウン・堺だ。
「戸建てニーズが強く、タワマン需要は限定的。都心部まで距離があり、路線が弱い点も厳しい。『ベルマージュ堺』は大阪タワマンの先駆け的な存在ですが、竣工から25年がたち商業フロアの空きテナントが目立つ。将来の大規模修繕も不安要素です」
出口から逆算した購入が手堅いようだ。
◆タワマン価格頭打ちの街WORST3
1位 十三(大阪府)
十三初となるタワマンは既存住民との格差大
2位 天王寺(大阪府)
大阪の再開発トレンドに乗れず伸び代薄い
3位 堺(大阪府)
都心部から遠くタワマンを買う立地でない
【不動産投資家・岡田のぶゆき氏】
不動産投資歴19年。日本をはじめ海外各地に1000室超の物件を保有。不動産投資に関する著書多数。現在大阪のタワマン投資に注力中
<取材・文/週刊SPA!編集部>
※10月22日発売の週刊SPA!特集「住むとヤバい街ランキング」より
―[住むとヤバい街ランキング]―