伝えるかどうかの基準は「後悔しないかどうか」



 

相手に何も言わないことで、デメリットも生じます。怒りや不満が積もりに積もって爆発することで「もう関わりたくない!」と一気に疎遠になったり、関係自体が終わってしまって、取り返しがつかないことになることもあるかもしれません。

気になることを伝えるかどうかは、今後のことを考えて決めましょう。アンガーマネジメントでは、「怒りで後悔しないこと」がひとつの基準になっています。決めるときは、どちらの行動をとったほうが後悔しないかという基準で決めるのがおすすめです。

伝えたことで、相手の行動が変わるかどうかはわかりません。「相手がどう受けとめるかわからないけれど、腹を割って言ったほうがいい。そのほうが後悔がない」と思うのであれば、伝えたほうがいいですね。たとえば、「◯◯のとき『ありがとう』のひと言がほしかったんだ」と声をかけてみてください。もしも、あとで「やっぱり言わないほうがよかったな」と思うようなら、言わないという選択もあります。

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家族の場合:無理に伝えないほうが得策なケースも

プライベートの話にも触れておきましょう。家族の場合、肉親であれば言いやすいかもしれませんが、義理の間柄では言いづらいことも多いのではないでしょうか。

たとえば義理の両親や義理のきょうだいに「こういうときには感謝の言葉がほしいんです」と言って、今後の人間関係をギクシャクさせてしまう可能性があるのなら、いちいち言わないという選択をしてもいいでしょう。

実のきょうだい関係が良好で、パートナーへのお願いごとをしても「うちの妻(夫)にはそういうところがあって、ごめんね。気が利かなくて」と言ってもらえるようなら、伝えることも手段のひとつです。でも、「いちいち、俺(わたし)のパートナーにうるさいなぁ。細かすぎるよ。そんなこといちいち言わないでよ」ときょうだいゲンカになる可能性もあるなら、無理に伝えないほうが得策です。