ペットと暮らしていると、さまざまな悩みが出てきます。傷や臭いが気になる、ペットのストレスがたまらないかな、もっとお世話がスムーズにできたら・・・。このようなお悩みはリフォームで解決できるかもしれません。
ペットと飼い主の双方にとって安全で快適な暮らしを叶えるには、どのようなリフォームができるのでしょうか。今回は目的別にリフォームアイデアや費用相場、施工事例をご紹介します。
1.目的別ペットリフォームのアイデア
あなたとペットの生活をよりよくするためには、目的をはっきりさせて、最適なリフォームを計画することが大切です。
よくあるお悩みや目的ごとに、リフォームアイデアをご紹介します。
【ペットとの暮らしでよくあるお悩みからリフォームアイディアを探す】
→「1-1.ペットの安全・健康を守るリフォーム」へ
→「1-2.ペットの臭いや傷対策のリフォーム」へ
→「1-3.ペットの騒音問題を対策するリフォーム」へ
→「1-4.ペットの遊び場をつくるリフォーム」へ
→「1-5.ペットとの暮らしをより快適にするリフォーム」へ
1-1.ペットの安全・健康を守るリフォーム
ペットとの暮らしで最優先したいのは、やはり安全と健康を守ることのはず。しかし、一般的な住宅設計では、ペットの安全性が十分に考えられていないことがあります。
ペットと暮らすときに起こりうる危険を事前に防ぎ、飼い主の安心感も高めるリフォームをご紹介します。
1-1-1.足腰の負担が少ない床材に張り替える
犬や猫は、家の中でも元気に走り回ります。ツルツルとした複合フローリングやフロアタイルなどは、滑ってケガをしたり、知らないうちに足腰に負担がかかっていたりすることも。クッション性があって滑りにくい床材に張り替えるのがおすすめです。
15~45万円(15畳) |
ペットとの暮らしにおすすめの床材
ペット用フローリング
クッションフロア
タイルカーペット
1-1-2.火を使うキッチンまわりをリフォームする
キッチンにあるコンロは注意が必要なため、IHクッキングヒーターに交換するのもおすすめです。チャイルドロック付きやダイヤル式など、ペットが勝手に点火できないものを選びましょう。
10~45万円 |
ただし、IHであっても加熱部分は高温になるため、絶対安心というわけではありません。足元にペットがやってきて、油がはねたり、調理器具を落としてしまったりする危険もあります。
より安全度を高めるには、キッチンの入り口に侵入防止扉を設置して、キッチンにペットが入れないようにするのも効果的です。壁付けキッチンで扉をつけるのが難しい場合、対面式キッチンに交換するのも一つの方法です。対面キッチンなら、料理をしながらリビングにいるペットの様子も見守りやすいでしょう。
8~45万円 |
キッチンリフォームを考え始める人へ【費用・ポイント・失敗しない進め方】
1-1-3.断熱リフォームで熱中症や寒さ対策をする
犬や猫を飼うなら、室温を通年で20〜23℃前後に設定するのが目安です。夏や冬にはエアコンを使って、熱中症や寒さから守らなければなりません。
しかし、常にエアコンをつけていると気になるのが電気代。家の断熱性が低いとエアコンの効きが悪くなるので、断熱性を高めるリフォームをするのもおすすめです。
4~20万円(1窓) |
断熱リフォームの例
内窓を設置する
樹脂サッシや断熱ガラスの窓へ交換する
壁、床、天井、屋根などに断熱材を追加する
断熱リフォームの費用と効果~冬場だけじゃなく年中快適な家に!
1-1-4.玄関に脱走防止扉を設置する
犬や猫の脱走は、飼い主にとって大きな不安要素ですよね。玄関ドアの手前に脱走防止の扉や柵を設置すると、宅配荷物の受け取りや来客の対応なども安心です。小型犬の場合は低めの柵でもよいですが、大型犬や猫はしっかりと天井まである扉をつけた方がよいでしょう。
13~35万円 |
1-1-5.爪で破れないステンレス製網戸へ交換する
猫を飼っていると、網戸を爪でボロボロにされたり、穴が開いて脱走したりすることも。引っ掻いても破れないステンレス製網戸にリフォームすることで、安全を守ることができます。
3~4万円(1枚) |
1-2.ペットの臭いやひっかき傷対策のリフォーム
ペットを飼っていると気になる、家中の臭いやひっかき傷。
ここでは臭いやひっかき傷への対策ができ、ペットも飼い主も快適に生活するためのリフォームアイデアをご紹介します。
1-2-1.消臭効果のある壁材に張り替える
ペットがいるとやはり気になるのが、室内に染みついた臭いです。飼い主は慣れていても、来客にとっては臭いが強く感じられることもあります。ペットがよく過ごす部屋全体や、トイレスペースの近くの壁を、消臭効果のある素材に変えてみるのはいかがでしょうか。
15〜20万円(15畳) |
12~19万円(6畳) |
臭い対策におすすめの壁リフォーム
消臭効果のある壁紙に張り替える
壁にエコカラットを貼る
珪藻土や漆喰の塗り壁にする
1-2-2.傷つきにくい床材や壁材に張り替える
猫と暮らすなら、爪とぎ対策も考えたいところ。壁紙は耐久性の高いペット用クロスに変えたり、ペットが届く高さまで腰壁を設置したりすると、傷がつきにくくなります。
15〜20万円(15畳) |
壁の傷対策におすすめのリフォーム
ペット用クロスに張り替える
ペット用腰壁シートや木製の腰壁を設置する
また、ペットが部屋を走り回ると、フローリングや畳に傷がつくことも。吐き戻しやトイレの失敗で床が汚れることもあるので、傷つきにくく掃除しやすい床材にリフォームするとよいでしょう。
15~45万円(15畳) |
床の傷対策におすすめのリフォーム
耐久性の高いペット用フローリングに張り替える
洗えるタイルカーペットを敷く
1-3.ペットの騒音問題を対策するリフォーム
愛おしいペットの鳴き声や足音も、時として予想外に響くことがあります。
ここでは、近隣に響いているのではという不安を解消するため、防音性を高めるリフォームのアイディアをご紹介します。
1-3-1.内窓をつけて音漏れを防ぐ
最も屋外へ音が漏れやすいのが窓です。内窓をつけて窓を二重にすると、音漏れを防げるだけでなく、断熱性も高まります。
4~20万円(1窓) |
内窓を設置することによる効果とは?光熱費を抑えて固定費を減らそう
1-3-2.足音の響きにくい床材に張り替える
特にマンションで気になるのが、下階へ響くペットの爪の音や足音。すでにマンションでは管理規約で定められた遮音性能をもつ床材になっているはずですが、さらに防音性を高める場合はより等級の高い防音フローリングに張り替えるのも一つの手です。ペットがよく過ごす場所にだけ、クッション性の高いタイルカーペットなどを敷く方法もあります。
25~30万円(6畳) |
1-4.ペットの遊び場をつくるリフォーム
ペットの室内飼いで気になるのが、運動不足やストレスです。そこでペットの習性に合わせた、安全な遊び場をつくるリフォームを考えてみてはいかがでしょうか。
広い庭がなくても、室内で自由に遊べる場所をつくることは可能です。
1-4-1.壁を無くして部屋を広くする
after
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/743
部屋が狭くてペットが思いっきり動けないなら、間仕切り壁を撤去して、のびのびと遊べる広い間取りへ変更するリフォームもおすすめです。ただし、来客時や疲れたときなど、狭い場所にこもるのが好きなペットも少なくありません。運動スペースをつくりつつ、階段下などに休める場所をつくるのもよいでしょう。
5~10万円 |
【プロが教える】壁を撤去するリフォーム費用はいくら?
1-4-2.キャットウォーク・キャットタワーを設置する
出典:https://freshhouse.co.jp/case/28270/
猫は高いところに登ったり、狭い通路を自由に動き回ることが大好き。壁に木の板を固定してキャットウォークやキャットタワーをつくると、インテリアの一部にもなります。透明のアクリル板でキャットウォークをつくって下から肉球を眺めたり、猫が窓の景色を眺められる場所をつくったりと、アイデア次第で人も猫もより楽しく暮らせるでしょう。
5〜10万円 |
1-5.ペットとの暮らしをより快適にするリフォーム
ペットとの暮らしには多くの幸せな瞬間がありますが、同時に想像以上の労力も必要です。床の掃除、食事の準備、トイレの始末、定期的なシャンプーと日々のお世話は決して少なくないでしょう。
リフォームをするなら、お世話を効率的にできるリフォームも考えてみてはいかがでしょうか。
1-5-1.ペットドアで自由に出入りできるようにする
ペットの出入りのたびに、ドアを開閉するのは意外と大変。ドアを開けっぱなしにすると、冷暖房効率が悪くなるのも気になります。そんなときには、ペット用の小さなドアがついた建具に交換するのがおすすめ。壁に小さな穴を開けて、猫用の入り口にする方法もあります。
8~10万円 |
1-5-2.ペット用の水場を設置する
出典:https://freshhouse.co.jp/case/18686/
犬との散歩から帰ってきたとき、玄関付近に足洗い場があるとスムーズに家の中に入れます。高さを調節すればペットのシャンプーにも使えて、飼い主の足腰への負担を減らすこともできます。猫と暮らすなら、専用の水飲み場を設置するのもおすすめです。
3〜15万円 |
玄関手洗いのメリットとおしゃれ事例。「ただいま手洗い」で衛生的に
1-5-3.手入れがしやすい場所にペットトイレ専用スペースを設ける
出典:https://freshhouse.co.jp/case/18686/
ペットトイレの位置は、洗面台の下など掃除のしやすい場所がおすすめです。人間のトイレを間取り変更で広くして、ペットと共用のトイレにする方法もあります。
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2.ペットリフォームの費用相場
ここまで見てきたとおり、ペットリフォームには目的に合わせたさまざまな方法があります。代表的なリフォーム内容と費用相場をまとめたので、チェックしてみましょう。
床をペット用フローリングに張り替える | 15~45万円(15畳) |
壁をペット用クロスに張り替える | 15〜20万円(15畳) |
ステンレス製網戸に交換する | 3~4万円(1枚) |
内窓を設置して防音性・断熱性を高める | 4~20万円(1窓) |
キャットウォークを設置する | 5〜10万円 |
ペットドア付きの建具に交換する | 8~10万円 |