画像はイメージ(Flicker/ Chris Luczkow )
オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)がSNSに投稿した「ゾンビカタツムリ」の動画が話題になっています。
寄生虫の宿主になったカタツムリの姿
この奇妙な動物は、形はカタツムリなのですが、ツノと殻から見えている胴体の部分がネオンカラーで、脈を打つように動いています。
カタツムリに何が起こったのでしょうか。
CSIROは100年以上の歴史を持つオーストラリアの国家科学機関。
革新的な科学技術課題に取り組んできたCSIROの功績の一例として、ワイヤレス LANの発明につながった電波天文学における先駆的な研究などがあります。
CSIROによれば、スクシネア(琥珀色のカタツムリ)はしばしば「ロイコクロリディウム・パラドクスム」いう寄生性の吸虫の宿主になるとのことです。
この寄生虫はカタツムリの触覚(目の部分)の運動ニューロンを操り、その結果、このような脈動する模様を作り出します。
とても目立つネオンカラーの模様は、毛虫の模様のように鳥に捕まえられることを目的としています。
鳥はカタツムリの殻は食べませんが、カタツムリに寄生したロイコクロリディウム・パラドクスムがいるのは主に触覚の部分。
鳥に食べられたロイコクロリディウムは、鳥の腸内で卵を生み、その卵は鳥の糞とともに排出されます。
その糞を食べたカタツムリもまたロイコクロリディウム・パラドクスムに寄生され、鳥に食べられるという驚きのサイクルを繰り返すという訳です。
FOX Newsの記事によればこの奇妙なカタツムリは台湾の彰化県の丘を登っていたハイカーによって発見されたとのこと。
SNSでは「素晴らしい。なんて凄い適応能力なんだろう」「見ていてゾッとする」などの反応が上がりました。
寄生虫がカタツムリを操って鳥に食べられやすくするという現象は、自然界の驚くべき戦略の一つと言えます。