デートで「何飲みたい?」と聞かれたら、なんと答えるのが正解?シャンパンと答えた女は…

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:東京だと「年収1,000万・手取り月60万男」は結婚対象外?30歳日系サラリーマンの苦悩

最近、恋愛の勘が鈍っているのだろうか。それとも、30歳という年齢のせいで、モテなくなった?

そう思わずにいられないのは、最近良い感じだったはずの大毅から、連絡が来ないからだ。

20代までの私だったら、食事会へ行けばほぼ全員から連絡が来たし、断っても断っても、次の男が湧いて出てきた。

しかしここ最近、何かの歯車が狂い始めている。

いつものパターンだったら、大毅から必死に連絡が来ていた。顔はみんなから「可愛い」と言われるし、身長だって166cmあり、努力の結果細身。でも出るところは出ていて、スタイルまでいい。

外資系ブランドで働いており、経済的に自立だってしている。それなのに、どうして急にモテなくなってきたのだろうか…。



Q1:男が女に惹かれたところは?



大毅と出会ったのは、食事会だった。仕事の関係で少し遅れて参加することになったのだけれど、最初にお店へ入った時から、大毅の視線を感じた。

「初めまして、愛です」

「初めまして。大毅です」

年齢は、私と同じ歳か少し上くらいだろうか。黒髪短髪、白Tに黒のパンツ、上にはライトなジャケットと一見ラフ。だけど、さりげなく時計を見ると、100万は下らない物をつけている。

― …あれ?この人、隠れお金持ちかも♡

そう気がついた私は、早速大毅に近づいてみる。

「大毅さんは、何のお仕事をされているんですか?」

「僕は自分で一応、会社をやっています」

「そうなんですね。すごい!」

そこから私と大毅は話が盛り上がり、別れ際にもちろん連絡先も聞かれた。そして翌日、食事の誘いも来た。ここまでは、すべて私の読み通り…のはずだった。

そして当日。大毅からは前日もリマインド連絡が来ており、私のことをだいぶ気にかけているようだ。

「愛ちゃんって、本当に美人だよね。何かそういう芸能系というか、モデルとかの仕事してたの?」

「何もしていないですよ〜」

「そうなんだ。絶対、そっちでもいけるよね」

しかも食事の序盤からベタ褒めされ、シャンパンがさらに美味しく感じられる。

「ありがとうございます♡」

大毅だって、イケメンとまではいかないけれど、悪くはない。それに男は顔じゃない、年収だ。

「大毅さんは、具体的には何系の会社を経営されているんですか?」

初デートでは、相手に興味があることをちゃんとアピールすること。そして、相手の話を引き出して、よく聞くこと。

自分がもっと大毅のことを知りたかったから、というのも大きいけれど、初デートの最低限のルールを、私はきちんと守った。

「僕はIT系の会社だよ。まだ立ち上げたばかりだけど」

「そうなんですね。いつ起業されたんですか?」

今日の大毅を、もう一度見てみる。清潔感もあるし、着ているTシャツのブランド名まではわからないけれど、上質そうだ。

「3年前になるかな。愛ちゃんはお仕事、外資系だっけ?」

「そうです。外資系のブランドで働いています」

「だからか…!すごいオシャレだし、持ち物も華やかだなと思って」

たしかに、30歳にしてはかなりのハイブランドを持っている。でもそれは職業柄も大きい。

今日つけているダイヤの指輪は元彼に買ってもらった物だけれど、1つ30万はするバッグは、自分で頑張って働いて買った物だ。

「“誰かいるの?”とか誤解されることも多いんですけど、頑張って働いてます!」

「そうなんだ。えらいね。ずっとその会社で働いているの?」

「前は違うブランドにいたのですが…」

こうして、お互いの仕事の話など、深い所まで話し合うことができた。そして何より、大毅はかなり前のめりだ。

「愛ちゃん、また食事付き合ってもらえないかな」

「もちろんです」

こうして、次のデートの約束をして別れた私たち。すべてが順調で、このまま次のデートで勝ち確定になるかとすら思っていた。



Q2:男が二度のデートで気がついたことは?



二度目のデートも、すぐにやってきた。

ただそれまでに、私は彼の名前でSNSを調べたり、ネット検索をかけてみたりした。経歴を見ると、慶應大学卒で学歴も悪くない。独身であることも間違いなさそうだ。

今回のデートで次の段階に進めたいと思った私は、美脚が映えるミニスカートにタイトめのブランドロゴ入りのノースリーブのニット。その上からジャケットを羽織り、一番気に入っているバッグを手に取り、完璧なデートコーデでお店へと向かう。

すると私の思惑は大成功したようで、お店に登場した私を、大毅はかなり眩しそうに見つめてきた。

「愛ちゃん、今日も華やかだね」

「気合入れちゃいました♡大毅さんとのデートだったので」

人間力も大事だと思うけれど、やっぱり女性は外見も大事だと思う。だから私はこれまでの恋愛、無双状態だった。

「愛ちゃん、何飲みたい?」

「じゃあ…シャンパンいただいて良いですか?」

「わかった。って恥ずかしいけど、僕あまりシャンパンとかワイン、詳しくなくて。どれが良い?」

そう言って大毅がメニューを見せてきてくれたので、とりあえず1本4万くらいの、定番でありながら美味しいシャンパンを1本、店員さんに向かってオーダーする。

「愛ちゃんって、お酒強いんだね」

「いえいえ。好きだけど、弱いんです。でもこうやって、誰かと一緒にお酒を飲める時間が好きで」

「わかる!僕も一緒。しかもこんな美女と飲めて嬉しいな」

今回は大毅のほうが第一印象で私に興味を持って誘ってきているし、もう少し頑張ればいけそうな気がしていた。

「そういえば、愛ちゃんってどこに住んでいるの?」

「私は今恵比寿です。大毅さんは?」

「僕は虎ノ門だよ」

「虎ノ門の、どの辺りですか?」

さりげなく場所を探ってみると、かなり良いマンションだった。私はさらにギアをあげるべく、もう少し踏み込んだ質問をしたくなる。

「大毅さんって、今お付き合いされている方とかいらっしゃるんですか?」

「今?いないよ」

「そうなんですね、良かった。ちなみに結婚願望とかあるんですか?」

私が目の前にいて、こうして二度もデートをしている以上、答えはある程度想像していた。きっと、「結婚願望はあるよ」と答えるだろう、と。

しかし大毅は、意外なことを言い始めた。

「あるけど、今じゃないかな。もう少し仕事が落ち着いたら…と思ってる」

「……え?そうなんですか?」

別にまだ付き合っているわけでもないし、ショックを受ける資格はないことくらいわかっている。

でもこうやって、結婚適齢期の男女が、二人で食事に来ているのに、この回答はある意味失礼な気もする。

「愛ちゃんは?結婚願望ある?」

「ありますよ〜。今すぐじゃなくても良いのですが。幸せな結婚をして、子どもは小学校から私立へ入れて、家族みんなで海外旅行をして…みたいなのが理想です」

「東京の理想的な家族って感じだね」

「ですよね?」

そんな会話をしているうちに、食事は終わってしまった。

そしてこの二度目のデートを終えてから、大毅の態度は変わった。冷たくはないけれど、私に興味を持っていないことが明らかなほど、連絡が来ない。

― なんで?結婚願望がない人に、「ある」って言ったから重かった…?

果たして、大毅は何がダメだったのだろうか。



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▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

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