10月10日に投稿された、「100日後にバキバキになる地雷系 100日目」というある女性の投稿写真についた”いいね”の数は8.9万。愛くるしい顔立ちに派手な髪色の一方で、腹筋は見事な割れっぷりというギャップある姿に多くのX民が尊敬の意を示し、「アンバランスさがかわいい」「こんな女になりたかった・・・」などと絶賛のコメントも寄せられている。
とはいえ、いったい彼女は何者で、なぜ腹筋バキバキ女子を目指したのだろうか。ご本人である星空あずきさんに直接インタビューしてみた。
◆腹筋を割り出したきっかけ
100日目の達成時、星空さんの体型は身長149cm、体脂肪率13.2%。そもそもなぜ、これだけ引き締まった体を目指し始めたのだろうか。
「現在はスポーツ系の栄養学を専攻する大学4年生で、1年前にはちゃんと就職活動をしていました。でも、どの企業説明会に行っても、『自分が目指したい場所はここじゃない』感覚が拭えなくって。
もともと大きなステージに立つ歌い手への憧れがあったので、こっちに全振りしようと決めたんです。まずは知名度を広げようと、SNSでの活動にも注力していたなかで思いついた企画のひとつが、地雷系の私が腹筋バキバキに割ってみる、というものでした」
星空さんが地雷系に目覚めたのは、高校時代に友人が「似合いそうじゃない?」と勧めてきたことがきっかけだったとか。
さらに、星空さんは幼少期から高校時代までの12年間も器械体操に打ち込んでいたうえ、大学では栄養学を学んでおり筋肉づくりに必要な知識も備えていたため、この企画を達成するポテンシャルは十分にあったようだ。
「100日間の前半は、腹筋やサイドプランク、足上げ腹筋といった筋トレメニューを毎日こなしていました。60日目くらいからは自宅でのトレーニングに加えパーソナルジムにも通い始め、高負荷のトレーニングを多めにするように。
有酸素運動としては、毎日30分ほどウォーキングしていましたが、最後のほうはそれを1日2セットに増やしていました」
◆筋トレ効果でメンタルに変化は……?
あくまで世間的なイメージではあるが、地雷系=メンヘラな人が多いという印象があるのは事実だろう。この筋トレ生活を通して、星空さんのメンタルに変化はあったのだろうか。
「初めのうちはストイックにやっていたというより、筋肉がついてくのが楽しいなぐらいの気持ちで、メンタルも調子は良かったのかなと。
ただ、やはり後半は食事制限を厳しくしつつも運動量はさらに増え、最後は水抜き・塩抜きまで行ったので、しんどかったですね。でも、100日目の自身の体を見て以前との変化を実感したときは、達成感がみなぎっていてました」
100日間の過酷な筋トレは、決して生半可な気持ちで成せることではない。今回の成功を通して、星空さんには世の地雷系女子に対して伝えたいメッセージが生まれた。
「私自身、元々自分にそんなに自信がないタイプでした。そんな人間でも、努力がちゃんと実っていろんな人に賞賛いただいた経験は、たしかに自分の自信につながったと感じています。
人間誰でも頑張れば輝ける。私がこれを証明したので、メンヘラから変わりたいという人はぜひ筋トレに挑戦してほしいって思うんです。
それから、とくに地雷系のコは、体が細い=正義という認識になりがちなんじゃないかなって。体重や体型にとらわれて、食べ物を吐く、ご飯を食べないといった無理なダイエットをし、結局は体調やメンタルを崩してしまうことも多いはず。
でも、本来は細さで勝負しなくても、体のラインを綺麗にしていけば十分に魅力的に見せられるということも少しずつわかってほしいなと思います。地雷系の筋肉女子が今後増えていったらすごく嬉しいですね」
◆100日間達成したことへの反響
地雷系の女の子が、100日間で腹筋をバキバキにするーー。この偉業達成に対し、Xでは多くの反響が寄せられたという。
「『この見た目の子がここまでバキバキになるの!?』といった褒め言葉が多く、フォロワー数も最初は1000人ほどしかいなかったのが、いまでは2.6万人に。
身近な女友達からも、『こんなにストイックに頑張れる友だちがいるのは誇らしい。私も頑張りたい!』と前向きな言葉をもらえて、私がしたことを励みにしてくれる人がいたことがめちゃくちゃ嬉しかったです」
今回、地雷系筋肉女子として知名度が上がったのは、星空さんにとっては大きな財産となった。
「私の1番の夢は、大きなステージで歌う歌い手として輝くこと。その目標のために、まずは知名度が必要だと思っていました。
実際、今回の活動で知名度が上がったことで、インフルエンサーのゆりにゃさんからお声がけいただくなど、ご縁は確実に広がっているなと。今後は音楽活動にも少しずつ軸足をずらして、動ける歌い手を目指していきたいと思います」
これだけの精神力があれば、夢を叶えるだけの推進力としては十分だろう。彼女の今後の健闘を祈りたい。
取材・文/田中慧(清談社)