地元の中学にいた“有名ヤンキー”と再会。飲みの場で「半べそをかきながら謝罪」させるまで――仰天ニュース傑作選

過去5万本の記事より大反響だった話をピックアップ!(初公開2023年11月22日 記事は取材時の状況) *  *  *

手の付けようがなかった不良が更生し、今では立派に活躍しているタレントの話が美談として紹介されることがあります。ただ、現実ではそううまくいかず、中高生時代に悪さをしていたときが全盛期で、実際に大人になると悲しい末路を辿っている場合も多くあります。

今回話を聞いたのは、大手建設会社に勤める久能翔吾さん(仮名・27歳)。現在では立派な会社に務めている久能さんですが、中高校生のころは勉強ばかりのいわゆる「陰キャ」。彼女どころか、友達もろくにおらず、寂しい学生生活を送っていました。

◆地元の中学にいた“有名ヤンキー”

「人とコミューニケーションを取るのが苦手で部活にも入らずに、放課後に遊ぶのも一人でゲーセンに行くくらい。よくあんな暗い青春時代で平気だったなと思います(笑)。その反面、良い大学に行って良い会社に入ることを目標に、かなり早くから勉強に力を入れていました」

久能さんの地元は、いまでも普通に暴走族などがはびこっている地方都市。中学ではクラスに何人かヤンキーがいる環境で……。

「いくつかの小学校から生徒が集まるマンモス中学だったので、ヤンキーも多く在籍していました。運が悪いことに、同じクラスには地元で有名なヤンキーAがいたんです。Aは暴力による恐怖政治を敷き、クラスでは誰も頭が上がらない状態。もちろん私もパシリのように扱われ、難癖をつけられカツアゲされていた。ある時は、自分の行きつけだったゲーセンに入るのに、入場料が必要と1000円取られたことも……」

◆「3年間で10万円」とられた

理不尽な要求に疑問を抱きつつ、話の通じない別人種だと諦めてお金を渡していたそうです。そして、図に乗ったヤンキーの蛮行はエスカレートしていったとか。

「自分も含めた数人が目をつけられていたのですが、漫画やゲームを借りパクされるのは当たり前。時には、放課後に地元のマックで席取りをさせられたこともありました。さすがに我慢できなく先生に密告すると、今度は『裏切り者』と呼ばれ金をせびられることに……。結局、3年間で10万円はとられました。進学校を選んだのも、Aでは絶対に合格できないと思ったから。それくらい自分の学生時代のトラウマになっています」

◆“住む世界”が変わり、接点がなくなった

猛勉強の甲斐もあり、久能さんは進学校へ入学し、平和な生活を送れたそうです。一方で、Aさんは偏差値の低い高校に入ったものの長続きせず、16歳から実家の建設会社で働き始めたそうです。当然ながら接点もなくなり、噂を聞く程度になったとか。

「早くから働いていたので金を持っていて、バイクも購入して暴走族のヘッドをやっているという話で。自分は顔を覚えられているので、自宅周辺のゲーセンやコンビニはなるべく使用せず、鉢合わせしないように注意していました」

◆「積年の恨みを晴らすチャンス」が到来

その後、両者は意外なところで再会することになったそうです。久能さんは、誰もが知るような大手建設会社に就職。その下請けに入っていたのが、運命ともいうべきかAさんの父親が経営する会社だったそうです。

「社名を見てピンときました。積年の恨みを晴らすチャンスだと思い、社内で先輩からAの会社の評判を聞かれたときは、もちろん悪評を吹き込みました。のちに、Aの会社も下請けのプロジェクトに参加するチャンスがあり、ここぞとばかりに先輩と現場にかけつけました。Aは気づいていなかったようですが、名刺を渡すと名前で思いだしたようです。かなり動揺していましたね。下請けいじめになるので金銭面などの契約はしっかりとしながらも、微妙にきつい納期を設定するなど嫌がらせを続けました」

立場が逆転した久能さん。そんな時に、中学校の同窓会の誘いがあり、これはチャンスだとノリノリで参加することに。

「Aは現在も地元で働いていることもあり、自分が会場に行くまではブイブイ言わせていたようです。すぐに見つけてこちらから声をかけたのですが、バツが悪そうにして急に無口に……。事情を知らない周囲の同級生は困惑していたので、いま一緒に仕事をしていてAは下請けなんだと説明しました。Aは顔を赤くして黙っているので、『俺がイジメているみたいだからそのリアクション止めてよ』と言ってやったんです。実は後で聞いたのですが、内心では周りの同級生も自慢話ばかりのAを良く思っていなく、ざまあみろと笑っていたそうです」

◆飲みに誘われて行ってみたら…


学生時代の仕返しをしっかりと行った久能さんですが、Aさんはその後、意外な行動に出たそうです。

「Aから一度サシで飲みに行かないかと誘いがあったんです。面白そうなので一緒に飲んでみると、酔いもあったのかいきなり土下座をしてきて、これまでの非礼を詫びてきたんです。また、Aの会社がかなり苦しいようで、仕事を回してもらったり出来ないかという相談も……。もちろん許すわけもなく、仕事の斡旋を不当にお願いしてきたことは、部長に報告すると言ってその場を去りました。Aは半べそをかいていましたが、全く心が痛むこともなかったです」

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まさに、因果応報を絵に書いたような展開になったケースです。学校でいじめやカツアゲなどしている輩は、いつか自分にも壮大なしっぺ返しが来る可能性があることを知っておいたほうが良いでしょう。

<TEXT/高橋マナブ>

【高橋マナブ】

1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている