団信とは|保険料の仕組みや種類ごとの保障内容、加入の注意点も解説

団信の保障範囲|金融機関による違いに注意

主な団信の種類と保障範囲をご紹介します。団信は加入後にプランの変更や追加ができないため、事前に保障範囲や金融機関ごとの違いを押さえて選ぶことが大切です。

また、保険料が支払われる条件も金融機関ごとに異なるため、保障内容とともによく確認しましょう。

 

一般的な団信の保障範囲

一般的な団信は、住宅ローン契約者が死亡または所定の高度障害状態となったときに、ローン残高の返済が免除される保険です。

高度障害とは両目の視力を完全かつ永久に失ったり、言語または咀嚼(そしゃく)の機能を完全かつ永久に失ったり、寝たきりになったりすることを指します。

これらの基準は労災や障害年金の等級、公的介護保険の認定基準とは異なり、金融機関独自に定めているため、よく確認しましょう。

 

ワイド団信

ワイド団信は、健康上の理由で一般団信には加入できない人向けに、引受基準が緩和された団信です。持病や既往症、治療中の病気がある場合もワイド団信であれば加入できる可能性があります。ただし、明確な引受基準は公表されておらず、緩和されたといっても審査はあるため、必ず加入できるというわけではありません。

ワイド団信の保障範囲は、一般的な団信と同じく死亡と高度障害状態となった場合です。引受基準が緩くなる分、一般的な団信よりも毎年0.3%程度の上乗せ金利が適用されます。そのため住宅ローン契約者の負担は増えますが、未加入の不安やリスクを軽減することが可能です。

また、ワイド団信は一部の金融機関でのみ取り扱われています。気になる場合は事前に情報を集めて比較検討するとよいでしょう。

 

特約つき団信

死亡や高度障害のほかに、病気やケガによってローンの返済が困難になるケースを心配する人も多いでしょう。多くの金融機関は一般的な団信のほかに、ニーズに対応して特約つきの団信を用意しています。

主な特約つき団信をご紹介します。

 

3大疾病

疾病保障つきの団信の代表格で、がん・脳卒中・急性心筋梗塞の3大疾病に罹患し、所定の状態に該当した場合に保障対象となる特約です。

3大疾病に5つの重度慢性疾患を加えた8大疾病保障つき、がん先進医療と10種類の生活習慣病を対象とする11大疾病保障つき団信を用意している金融機関もあります。

なお、特約の保障内容は似ていても、保険料が支払われる条件が金融機関で異なることが多いため、保険料が支払われやすい条件かどうかもチェックしましょう。

 

所定の身体障害状態

病気やけがの種類ではなく、人工透析を受けている、ペースメーカーをつけているといった特定の身体障害状態に該当する場合に保障対象となる特約もあります。

 

要介護状態

公的介護保険制度で要介護認定を受けた場合に保障対象となる特約もあります。保障を受けられる要介護レベルや条件は金融機関によって異なるため、事前に情報収集や確認が必要です。

 

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団信に加入する際の注意点

団信の加入を検討する際は、以下の点も押さえておきましょう。

生命保険料控除の対象にならない

加入年齢に制限がある団信もある

 

生命保険料控除の対象にならない

団信の保険料は生命保険料控除の対象となりません。

生命保険料控除は「保険金受取人を自己または配偶者その他の親族とする、生命保険契約等」を対象としています。団信の場合は金融機関が保険金の受取人であり、保険金を住宅ローンの残債に充てるためです。

 

加入年齢に制限がある団信もある

一般的な団信は、住宅ローンの契約が可能な年齢であれば加入が可能です。ただし、疾病特約つきの場合、年齢とともにリスクも高まる傾向があることから、内容によっては年齢制限が設けられています。

特約つき団信の年齢制限は金融機関によって異なるため、加入を検討する場合は複数社を比較しておきましょう。また、年齢制限によって特約つき団信の加入が難しい場合は、民間の特定疾病保険でカバーする方法もあります。