1年以内…遺留分侵害額の請求

遺留分とは、相続人が最低限引き継ぐことができる遺産の割合のことです。亡くなった人が扶養していた相続人の生活保障や、亡くなった人の財産形成に対する相続人の貢献などを考慮して定められています。したがって、亡くなった人の配偶者、子、両親には遺留分がありますが、兄弟姉妹にはありません。

遺言のとおりに遺産分割をした結果、遺留分を下回る遺産しか受け取れなかった相続人は、不足している部分をほかの相続人に対して請求することができます。これを遺留分侵害額の請求といいます。

遺留分侵害額の請求ができる期限は、相続の発生および遺留分を下回る遺産しか受け取っていないことを知ったときから1年以内です。相続の発生から10年を経過した場合は、遺留分侵害額の請求はできません。

遺留分侵害額の請求は、裁判所などに届け出るのではなく、まずは当事者どうしで話し合うことになります。もし、話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。

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2年以内…埋葬料・葬祭費の請求

健康保険から支給される埋葬料・葬祭費は、亡くなった人が加入していた制度によって手続きが異なります。

健康保険

健康保険(被用者保険)に加入していた人が亡くなったときは、埋葬を行った同一生計の家族に埋葬料が支給されます。同一生計の家族がいないときは、埋葬を行った人に埋葬費として実費(上限あり)が支給されます。扶養家族が亡くなったときは、健康保険の加入者に家族埋葬料が支給されます。亡くなった日から2年以内(埋葬費は埋葬を行った日から2年以内)に、勤務先または健康保険組合などに届け出ます。

国民健康保険・後期高齢者医療制度

国民健康保険と後期高齢者医療制度に加入していた人が亡くなれば、葬祭費が支給されます。葬祭を行った日から2年以内に市区町村役場で手続きをします。