更年期以降に増える女性の「脂質異常症」…コレステロールを下げるコツ&注意点【医師が解説】

無料で誰でも手にできる「魔法の薬」を知っていますか? ウォーキングなどの運動は、自分で行える病気への有効な対策! LDLコレステロールや中性脂肪が高過ぎると脂質異常症となり、動脈硬化や心血管疾患や脳梗塞の原因に。今日から運動を始めましょう!

監修者プロフィール:吹田 春佳さん

LIGHT CLINIC 副院長。30年、50年先の健康を見据えた肥満治療普及を目指してダイエット専門クリニックLIGHT CLINIC(ライトクリニック)を立ち上げ。健康的にダイエットができるよう、内服治療の相談、ダイエット施術から食事・運動指導まで、ダイエットのトータルサポートを提供している。最新情報はインスタをチェック。

(広告の後にも続きます)

悪玉・善玉、そもそもコレステロールって?

コレステロールは、脂質の一種です。ホルモンや細胞膜、胆汁酸などの原料になる栄養素で、人間が生きていく上で欠かせないものですが、増え過ぎれば脂質異常症や生活習慣病、動脈硬化につながるなど健康に悪影響を及ぼします。

しかし、コレステロールが体内に蓄積したからといって初期症状や自覚症状が現れるわけではありません。そのため「気づいたときにはコレステロール値がかなり高くなってしまっていた」というケースも多いのです。

血液中には数種類の脂質が含まれており、チェックしたいのが「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)」「HDLコレステロール(善玉コレステロール)」「中性脂肪(トリグリセリド)」の3つです。

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
肝臓で生成された栄養素を身体の末梢組織に運ぶ役割がある。生命維持に欠かせないものだが、増え過ぎると血管壁に付着して血管を狭く、硬くさせるため、動脈硬化につながる
HDLコレステロール(善玉コレステロール)
血管内の余分なコレステロールを回収し、肝臓へ戻す役割がある。HDLコレステロール値を正常に保つことで動脈硬化を予防できる
中性脂肪(トリグリセリド)
ブドウ糖が不足した場合に補う働きをするが、増え過ぎると体脂肪として体に蓄積し、肥満や生活習慣病の原因に

更年期を迎えた女性はLDLコレステロールが高くなる傾向にあるため、健康管理の一つとして普段からコレステロール値を定期的にチェックしておくのがおすすめです。

コレステロール値に異常が起こると「脂質異常症」に

「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)」「HDLコレステロール(善玉コレステロール)」「中性脂肪(トリグリセリド)」の値に異常が起こると、「脂質異常症」と診断されます。

脂質異常症になると、血液中に通常よりも多くのコレステロールが流れ込み、血管壁にたまって動脈硬化を引き起こします。動脈硬化になると、心筋梗塞や脳卒中といった、命にかかわる病気を引き起こすリスクを高めてしまうことに。

厚生労働省による生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」によれば、それぞれの脂質異常症の診断基準(空腹時採血)は以下のようになっています。

LDLコレステロール
140mg/dL以上……高LDLコレステロール血症
120~139mg/dL……境界域高LDLコレステロール血症
トリグリセライド
150 mg/dL以上……高トリグリセライド血症
HDLコレステロール
40 mg/dL未満……低HDLコレステロール血症