不倫報道はいつの時代も注目の的で、他人事であるにもかかわらず当事者のように怒り狂う人が続出する。けれどその熱はあっという間に冷め、“その後”を追う者は少ない。不貞を働き離婚に至るのは男性だけではないだろう。今回は女性に焦点を当て、不倫の末に婚姻関係を解消した“シタ妻”たちがその後どのような人生を歩んでいるのか、そのリアルに迫る。
◆パパ活相手の嫌がらせで3年超の泥沼離婚劇に発展
伊東美果さん(仮名)28歳・保険代理
「不倫の代償として200万円超を払い、ようやく生活が落ち着いてきました」
そう語るのは、夫のモラハラに対する不満のはけ口として不倫をし、離婚に至った伊東美果さん(仮名・28歳)だ。
「4歳年上の元夫は娘が生まれた直後から家事や育児を手伝わないのに、友人の前で『掃除が甘い』と注意してきたり、『母親失格だ』とバカにしてきたりもしました。そのストレス発散のために始めたパパ活アプリで、投資家(当時40歳)と出会ったんです」
投資家とはシングルマザーの体で会っていたが、噓とわかると彼の態度が一変した。
「相手がプロポーズをしてくるぐらい本気になってしまい、断ったら探偵の調査をされて既婚者だとバレてしまったんです。逆上した相手が夫とその家族に『伊東美果はパパ活する尻軽女』とメールで嫌がらせをしてきて……。直後に別居が決まって、不倫関係も終わりました。離婚しても児童扶養手当さえもらえれば、子供との生活だけは守れると思っていました」
◆「心のどこかで期待している自分もいます」
だが、夫と話し合いの場が持てず離婚調停に踏み切った。
「夫は、『俺は悪くない。養育費だって1円も払わない』の一点張り。弁護士をつけず、交渉にも応じなかったのですが、別居開始日から離婚までの婚姻費用総額30万円と毎月9000円の養育費で決着。でも直後、夫が不倫に対する慰謝料を求める民事裁判を起してきて、私が150万円を支払うことになりました。『最後は俺が勝った』って証しが欲しかったんだと思います」
3年の離婚調停を経て今年離婚が成立した伊東さん。その半年後、不倫相手から突然、分厚い書類が届いたという。
「元夫は私が話した情報やLINEのやりとりを証拠に不倫相手も訴えようとしていたらしくて。その精神的苦痛による慰謝料300万円を請求する内容証明でした。もう揉めごとに疲れ切っていて、今後は一切関わらないことを条件に数十万円で和解しました」
シングルマザーとして7歳の子供と暮らす現状を「幸せ」と話すが、心境は複雑だ。
「子供が『パパに会いたい』と言い出して、3年ぶりに元夫に会ったんですよ。過去の過ちに対する後悔は今も残っています。だから彼には『やり直さないか?』と言ってもらえることを、心のどこかで期待している自分もいますね」
終始気丈に話していた彼女が、その時だけ涙を滲ませた。
取材・文/週刊SPA!編集部
―[[不倫離婚シタ妻]たちのその後]―