得意先からの厳しい依頼を正直断りたい。うまく伝える言い方とは? ひろゆきの仕事で使える“ズルい”言いまわし

仕事やプライベートで「なぜかうまくいく人」は、どんな言葉を使っているのか? 実は賢い人ほど、相手から期待通りのリアクションを引きだす「ズルくてうまい言いまわし」を日頃から駆使している。

どんな言葉を使えば物事がスムーズに進むのか? 様々なシチュエーションごとに「ダメな言い方」「うまい言い方」を解説した、ひろゆき氏の新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』から、テクニックの一部を紹介しよう。

◆得意先からのむちゃぶり仕事を断る方法

いつも仕事を受注しているお得意先から、厳しい案件依頼が来た。相手の言うままに請け負った場合、収支的には赤字か、よくてトントンなので正直断りたい。長年の関係性を壊さずに、後腐れなく断るにはどのような伝え方がいいのか?

◆柔らかいニュアンスは避けて、数字も交えて具体的に伝える

当然の話ですが、仕事はボランティアではないので赤字になる仕事なら断りたいのが普通ですよね。でも、相手と長い付き合いだと関係を悪化させたくないので断りにくい場合もあると思います。

とはいえ、「これは厳しいですかねぇ」とか「これだとちょっとウチの利益が……」といった、柔らかいニュアンスで伝えるのはよくない気がします。

というのも、相手にはあなたの本心なんてわかりません。「その額だと利益が出ないので厳しいです」と伝えたとしても、相手が「価格をつり上げようとしているのではないか?」と疑念を抱いてしまうこともあり得ます。

それなら、「この金額だとウチは〇〇万円の赤字になります」と、数字も交えて明確に伝えるほうがいいです。利益ではなく出費がかさむことを知ったら、相手もさすがに理解すると思うのですね。

反対に柔らかいニュアンスで言うと、「そこをなんとか!」などと食い下がってこられることもあります。最悪の場合、「ウチも利益度外視でやっている仕事なので」なんて言い出されて、「じゃあ、なんとかやってみますか……」とムリをして依頼を受けざるを得ないパターンもあり得ます。

もちろん、ムリをして相手に貢献すれば感謝されるだろうし、「今後の仕事にも繋がるだろう」という捕らぬ狸の皮算用的な考えが頭にあると思います。でも、他の仕事で帳尻を合わせてもらえる確約でもない限り、ムリに請け負うのはやめたほうがいいでしょう。

◆表面上は感謝されても…

自分としては親切心でやっても、相手が「自分のために本当に頑張ってくれたんだ」と思うかはわかりません。仮に表面上は感謝されても、本心では「ムリを言っても対応してくれる都合のいい人」と思われるだけでなく、「やっぱり価格をつり上げようとしてウソを言っていたんだな……」と疑惑をかけられてしまう危険性まであったりするのですね。親切心から身を切ってまで動いたのに、ウソつきと認識されては1ミリのメリットもありません。それどころか、今後の仕事を発注されなくなるリスクすら出てきます。

他人の内心というのはわからないものですし、考えたところで永遠にわかりません。だから本当にムリな状態であれば、ふんわりと差し障りなく伝えるのではなく、正直に理由と状況を伝えて断るほうが、今後の関係を継続していくにはベターであると感じるのですよ、お互いにとって。

◆得意先からのむちゃぶり仕事を断りたいときは…

× この内容だと、ちょっと厳しくて……

◎ この内容だと、〇〇万円の赤字です

構成/杉原光徳(ミドルマン)

―[賢い人が自然とやっているズルい言いまわし]―

【ひろゆき】

西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』