バグ・ホテルを呼びたい虫別に作る方法


EkaterinaP/Shutterstock.com

先述のとおり、バグ・ホテルを初めて作る方は呼びたい虫ごとに小さなものを作るほうがメンテナンスしやすいのでおすすめ。ここではハチ・テントウムシ・チョウをターゲットにしたバグ・ホテルの作り方のポイントについてご紹介します。

ハチ


Juliasuena/Shutterstock.com

「借孔性ハチ類」や「管住性ハチ」などと呼ばれるハチ類は、竹筒やヨシの茎など細長い筒状のスペースを好んで巣にします。日本ではこれらのハチ類が約60種類存在します。これらのハチは、巣の中に餌を蓄えて産卵し、卵から孵った幼虫はその餌を食べて育ちます。

バグ・ホテルを作る際には、内径5~20mmほどの竹筒やヨシの茎などを集め、それらを20cmほどの長さに切ります。これらの筒を束ねたり、すだれのように並べたり、箱に詰めたりします。いろいろな太さの筒を混ぜ合わせると、さまざまなハチが入ることができます。作ったバグ・ホテルは軒下など雨が当たりにくい場所に設置しましょう。

テントウムシ


iMarzi/Shutterstock.com

テントウムシは集団で冬を過ごし、落ち葉の下や石の隙間、樹皮の下、建物の中など風の当たらない場所に集まり越冬します。ナナホシテントウは越冬前に産卵して寿命を終えるため、バグ・ホテルにはあまり来ません。一方、ナミテントウなどの種類は越冬します。

テントウムシのバグ・ホテルの作り方は、ベースに松ぼっくり、小枝や枯れ葉を敷き詰めます。また、松ぼっくりを直接地面に置いて重ね、その上に屋根を設置する方法もあります。さらに、マリーゴールドやコスモス、カレンデュラ、タンポポなどを庭に植えると、テントウムシを呼びやすくなります。

チョウ


Edita Medeina/Shutterstock.com

成虫で越冬する種類のチョウのためのバグ・ホテルもあります。チョウは細い隙間で休むため、バグ・ホテルにも入口となる細いスリットが必要です。バグ・ホテルの前面になる板にスリットを開け、やすりで滑らかにします。そして、ホテルの中には木の枝や樹皮を入れます。チョウのバグ・ホテルは日当たりがよく、風が当たらない場所に設置します。

(広告の後にも続きます)

バグ・ホテルを設置して庭に虫を呼び込もう


DAN_SHMIDT/Shutterstock.com

バグ・ホテルは虫たちが自然の中で暮らしやすく、安全に越冬させるためのホテルです。生物多様性の保全にも貢献し、庭の果樹の受粉など、植物の交配や結実も手助けしてもらえるかもしれません。初めて作る方は、管理しやすい小さめのものから始めてみてはいかがでしょうか。

Credit

文 / 3and garden



スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。