学業と競技活動の両立の合間にも、自分のキャリアを真剣に考えよう
――リポートの最後で、「学生アスリートでは、就活そのものやキャリア形成に関する根本的な悩みを感じ、企業との間でミスマッチが生じる懸念がある」と指摘していますが、ここはどういうことでしょうか。
担当者 一般論としての考察になりますが、就職活動の全体工程を理解し、自身のキャリア展望・志望業界などを見据えたうえで、最終的な意思決定をしていくことによって納得感のある就職活動ができると考えると考えます。
――「半径5メートルの就活」から脱し、就活の各ステップで学生アスリートがよりふさわしいキャリア教育を得られるようにするには、学生自身および大学、運動部は具体的にどうすればいいでしょうか。学生アスリートへのアドバイスもお願いします。
担当者 今回の調査結果を踏まえると、就職活動が本格的に始まる前に、自身のキャリアについて考える時間が増えていくことが望ましいと考えます。
学生アスリートは、競技活動のオフシーズンなどを有効に活用し、早い段階から準備を始めるとよいでしょうし、大学・企業などもそうした学生アスリートの早期活動を支援していくことが期待されます。
学生アスリートの皆様は、学業と競技活動の両立に真剣に取り組まれており、就職活動に時間を割きにくいかもしれません。学生時代の就職活動は、今後のご自身のキャリアを考えるうえで非常に重要です。時間は限られるかもしれませんが、その中でご自身が納得できる形で就職活動に取り組んでいくことを応援しています。
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企業は、部活オフシーズンの2年生1~3月にアプローチしては
――今回の調査で特に強調しておきたいことや、企業の人事担当者への要望はありますか。
担当者 今回の調査と分析は、あくまで学生アスリートと就活生全般の違いにフォーカスしたものになります。学生アスリートに限らず、学生全般が多種多様な経験を積んでいます。企業の採用活動では、学生の多様性を理解し尊重することが重要と考えます。
学生アスリートには、たとえば、部活動のオフシーズンで、かつ就活本格化前のタイミング(2年生の1~3月など)でのアプローチや、実際の業務内容やキャリアパスを具体的にイメージできるキャリア教育に近いコンテンツを準備し、接点を設けるなどの手法が効果的だと考えられます。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)