「キングオブコント」「M-1グランプリ」は1000万円 “賞金と税金”に関する豆知識

コント日本一を決める「キングオブコント2024」(TBS系)の決勝戦が10月12日に行われ、ラブレターズ(塚本直毅39・溜口 佑太朗39)が5回目の決勝戦挑戦にして、エントリー数3139組の頂点に立った。

副賞は「米1トン」

決勝戦に進んだのは、ロングコートダディ、ダンビラムーチョ、シティホテル3号室、や団、コットン、ニッポンの社長、ファイヤーサンダー、cacao、隣人、ラブレターズの10組。ファイナルステージはファイヤーサンダー、ロングコートダディ、ラブレターズの3組で争われ、ラブレターズが見事、僅差をものにした。

ラブレターズは、優勝賞金の1000万円と副賞「米1トン」を手にし、塚本は「子供がいるので学資保険とかに使いたいですね」、溜口も「今回副賞でお米をもらいましたが、いま米不足なので、追加でお米を買って備蓄しようかな」と笑顔で答えた。

優勝賞金“実際の”取り分は?

秋から冬にかけてテレビでは、「お笑い賞レース」番組が多数放送されるシーズンだが、優勝すれば、局やスポンサーから高額の賞金が授与される。今回の「キングオブコント」=1000万円を皮切りに、女芸人No.1決定戦「THE W」(12月)=1000万円、漫才王座決定戦「M-1グランプリ」(12月)=1000万円。「R-1グランプリ」(3月)=500万円といった具合だ。

しかし、こうした優勝賞金は、本人たちに直接入るということは少ないようだ。さるお笑い業界関係者はこう話す。

「事務所所属の場合、振り込みも事務所経由となるので、本人たちに丸々手渡されることは少ないですね。所属事務所にもよると思いますが、良心的な事務所で事務所:本人で3:7の配分率、“トリ半”と言われる場合で、5:5といった感じで事務所が引いていきます。

そこから、所得税が100万円以下について10%ほど、100万円超の部分について20%ほど引かれた上で、通常のギャラとして支払われるケースがほとんどだと思われます。ですので、コンビ芸人の場合、優勝しても、実際、本人に入るのは、200万〜300万程度ではないでしょうか。さらに、トリオ芸人となると、ひとり100万前後になるでしょう」

意外と実入りは少ないようだが、お笑い芸人にとっては、これらの賞レースに優勝すれば、知名度も急激にアップし、今後の仕事が大きく飛躍することが約束されているだけに、それでも十分満足といったところだろうか。

一般の人がコンテストに優勝したら?

一方で、一般の人が、こうしたコンテストや懸賞、宝くじ、さらにギャンブルなどで金品を手にした場合は税法上どうなるか。

「プロのお笑い賞レースで得た賞金は、基本的に『事業所得』にあたるのに対して、一般の人がコンテストや懸賞などで得た収入は、税制上は『雑所得』または『一時所得』となります」(税務関係者)

 法令上の定義では、
「雑所得」=「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得」(所得税法第35条第1項)

「一時所得」=「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないもの」(所得税法第34条第1項)
ということになる。

宝くじの賞金は非課税

「国税庁のホームページには、一般のサラリーマンが〝一般財団法人B主催(以下B財団)のマラソン大会に出場し、大会記録を更新して1位に入賞し、賞金をもらった場合〟の例を用いて説明していますが、B財団から受け取った、〈1位入賞賞金〉および〈記録更新賞金〉は『雑所得』、一般社団法人Cから記録を更新した選手に対して支払われる〈褒賞金〉については、『一時所得』になると説明しています。このように、雑所得にあたるのか、一時所得にあたるかは、ケースバイケースでその区分は複雑です」(前出=税務関係者)

「雑所得」か「一時所得」かによって、税金も変わってくるというから、注意が必要だ。

「ちなみに、宝くじの賞金は一時所得となりますが、『当せん金付証票法』という法律があるため、非課税です。億単位の当選金を手にしても税金はかかりません。一方、競馬、競輪などのギャンブルの当選金は一時所得となり、50万円を超えると確定申告が必要になります」(前出=税務関係者)

いずれにせよ、コンテストや懸賞などで、高額の賞金や賞品を手にした場合は、税理士または税金に詳しい弁護士に相談したほうがいいだろう。