3.保育所の現状

施設数と利用者数の推移


こども家庭庁|「保育所等関連状況取りまとめ(令和5年4月1日)」を公表しますより作成

2023年時点における保育所等の施設数は、2015年と比較して約1.4倍に増えています。利用児童数も同期間に1.4倍ほど増えていることから、施設数の増加に比例していることがわかります。

施設の内訳を見ると、保育所数はほぼ一定となっている一方、幼保連携型認定こども園は約3.5倍、幼稚園型認定こども園等は約2.5倍、特定地域型保育事業は約2.7倍増加しているのが特徴です。

利用児童数は、近年わずかに減少しており、要因の一つとして少子化の影響が考えられます。

待機児童数の推移


こども家庭庁|「保育所等関連状況取りまとめ(令和5年4月1日)」を公表しますより作成

待機児童数は、2015年から2023年にかけて10分の1程度に減少しています。また、待機児童の減少に反比例して、全体の保育利用率と保育ニーズの高い1〜2歳の乳幼児の利用率は、年々増加している点が特徴です。

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4.保育所で働く

配置基準

職種

配置基準

保育士

0歳児3人につき1人

1〜2歳児6人につき1人

3歳児15人につき1人

4〜5歳児25人につき1人

嘱託医

配置が必要

調理員

配置が必要

(調理業務を全部委託する場合は配置不要)

2024年に認可保育所における保育士の配置基準が、75年ぶりに見直されました。それまでは3歳児20人につき保育士1人、4〜5歳児30人につき1人だったのが、保育士1人あたりの児童数が5人減り、3歳児15人につき保育士1人、4〜5歳児25人につき1人に変更されています。

認可外保育所は、認可と同じ人数の保育従事者(保育士や看護師)の配置が必要です。ただし、認可保育所では配置する職員のすべてが保育士および看護師・保健師の有資格者である必要があるのに対し、認可外保育所では、保育従事者の3分の1以上が有資格者であれば、残りは保育補助などの無資格者でもよいとされています。

保育所の仕事内容

保育所では保育士をはじめ、さまざまな職種が連携して働いています。それぞれの主な業務は以下のとおりです。

〈保育士〉

子どもの身の回りの世話に加え、挨拶・食事・排泄・着替え・睡眠などの基本的な生活習慣を身につけられるよう適切な声かけをし、介助します。発達段階に応じた遊びの提供や行事の企画、運営も業務の一つです。

また、園児だけでなく保護者に対する支援も大切な業務といえます。育児相談に応じ、アドバイスをすることもあります。

〈保健師・看護師/准看護師〉

乳児を4人以上受け入れている保育所では、保健師または看護師(または准看護師)を1人に限り保育士と見なすことができます。主な業務は、園児の体調管理や健康診断の実施、園内の衛生管理・指導、保護者への保健指導に加え、保育業務などです。

〈嘱託医〉

嘱託医の主な業務は、定期的に健康診断を実施すること、感染症対策などの保育施設における健康管理・指導のほか、虐待の防止・発見、健康相談への対応などです。

〈管理栄養士/栄養士・調理員〉

管理栄養士・栄養士は、日々の献立作りと保護者に向けた栄養指導が主な業務です。調理員は、管理栄養士(栄養士)が作成した献立をもとに子どもたちの日々の食事とおやつの調理をおこないます。子どもたちの月齢や年齢に応じて食形態を変えたり、アレルギーに配慮したりするなど、個別対応も必要です。

紹介した職種のほかにも、作業療法士や心理カウンセラーを配置している保育施設もあります。

保育所の給料

ここからは、2024年10月にジョブメドレーに掲載中の求人をもとに、保育所で働く主な職種(正職員)の給料を紹介します。

職種

月収

年収

保育士

24万2,753円

339万8,542円

看護師/准看護師

26万898円

365万2,572円

管理栄養士/栄養士

22万2,766円

311万8,724円

調理員

22万4,544円

314万3,616円

*年収は「月収の総平均 × 14ヶ月(ボーナスは月給の2ヶ月分)」で試算
*保育士は認可保育所月収・年収、看護師/准看護師はすべての保育所、管理栄養士/栄養士、調理員は保育所・幼稚園のデータを基に算出