三日間かけて丁寧に仕上げた粒あんを、宵ごねで生地を仕込み一枚一枚で蒸し焼きした皮ではさんだ「どらやき」。そして、国産バターをサンドした和洋折衷のどらやき「ばたどら」。お店で人気の和菓子を詰め合わせ。
北海道に名だたるお菓子屋さんはあれど、中でも長い歴史を誇るお菓子屋の1つが千秋庵総本家ではないでしょうか?子供のころ、祖母の実家のがある函館に帰省するたび、帰りのお土産に持ち帰る千秋庵総本家のどら焼きが本当に待ち遠しかったことを思い出します。
千秋庵総本家の歴史は、1860年にまでさかのぼり、「北海道」と命名されるその前から、かの地にお菓子の文化をつないできた名店です。
函館本店では蔵造りの店舗に、歴史を感じる昭和初期の函館市の地図が貼られており、にぎやかだった当時の趣を感じます。
店舗を代表的する商品は「元祖山親爺(がんそやまおやじ)」と呼ばれるバター風味でパリッとした食感の焼き菓子と、今回ご紹介する「どらやき」です。大正時代の末から、時代を超え何十年も引き継がれる銘菓です。
もし函館に行く機会があるなら、ぜひ現地で食べていただきたいと思うのですが、なかなかそう頻繁には行くことも叶いません。そこで通販があると知り、今回取り寄せてみたわけです。
千秋庵総本家のどら焼きの特徴は、まずあんこです。3日かけて炊き上げるという粒あんは、大粒で色が濃く味もよい大納言が贅沢に使われています。粒が立ったあんは、ひと口含むと小豆特有の良い香りが豊かに広がり、食感はなめらかで、粒の外皮が口に残るようなことは決してありません。甘さも控えめで、後味が良いのも特徴の1つでしょうか。
またなんといってもふんわりして弾力のある皮が、千秋庵のどら焼きの特徴です。前日2回、当日1回にわけてこねるという「三段階宵ごね」の生地を、職人さんが1枚ずつ手焼きし、あんこも手詰めされているのだとか。
だからでしょうか、機械で作ったどら焼きとは食感も風味も少し異なる、それはそれは綺麗な味のどら焼き。
現地・函館で食べるのが一番ですが、お取り寄せの「どらやき」もとても美味ですよ。定番のノーマルタイプと、バター入りタイプの「ばたどら」3種(あんこ、抹茶、モンブラン)があります。ギフトに自分用に……。是非お試しください。