「不動産業」に女性社長が多いのはなぜ
――業種別にみると、女性社長率が最も高いのは飲食店のママや女将さん、美容院経営などが含まれる「サービス業他」ではないかと思っていましたが、意外にも「不動産業」でした。これは、どういう理由からですか。
調査担当者 「不動産業」の中には土地や建物を賃貸する不動産賃貸業があり、資産管理会社としての性格が強い企業を含みます。富裕層や経営者の女性親族がこうした企業の代表者に就き、「不動産業」の女性社長数を押し上げている側面があります。
――なるほど。ところで、年齢別の調査では情報通信業の58歳がもっとも低いとあります。こういう最先端企業に女性社長がどんどん進出してこそ、本来の女性活躍だと思いますが、やはり、スキルを持った女性が起業するケースが多いのでしょうか。
調査担当者 情報通信業では、性別に関わらず業界で経験を積んだ方が独立・起業しています。設備投資を抑えた起業が可能なので、小規模な事業形態であれば自宅を事務所・職場とすることもできます。
若い方や家事などとの両立を図る女性にとっても、非常に進出しやすい業種と考えられます。
――今後、女性社長がますます増えていくためには、何が一番大切だと思いますか。
調査担当者 経営者に限らず就業する女性に対して、自立した働き方への理解度が低いことや、家事や育児、介護などと仕事の両立による負担などが、依然として女性の社会進出を阻んでいると考えます。
性別・年代を問わず、広く社会全体で男女共同参画に関する認識を高めていくことが必要と感じます。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)