【バリューの罠】

ディープ・バリュー(本源的価値と比べて極端に割安な株式)の投資家は、特売価格が付いた銘柄に投資しようとします。この場合(例えば、PBRが0.3倍であるとか)必ず次の問に答える必要があります。すなわち、本当に割安なのか、あるいは安いには真のファンダメンタルズが壊れかかっているために割安に放置されているのか、です。

株式市場には多数の人々が参加し株価には大量の情報が反映されています。従って、ある株式がもし割安に見えれば、通常それには理由があり、成長が平均以下になりそうなことを表しています。バリュー投資家が根本的な問題を抱えた会社に投資してしまうことを称してバリューの罠(value trap)と言います。バリューの罠は株式のクォリティ特性に注目することによって少なくとも部分的には回避できます。

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【クォリティ投資】

バリュー投資が最も注目するのは株価ですが、一方でクォリティに注目する投資もあります。

「クォリティ投資とは」、簡単に言えば「良い」会社を買うことです。では、「良い」会社、つまり、クォリティの高い会社とは何でしょうか? 一つには、投資家が高い価格を払うのを厭わないであろう特性として、クォリティを定義できます。

通常の配当割引モデルを前提とすると高クォリティ特性(すなわち、より高いバリュエーションレシオを正当化する特性)は幾つかあり得ます。

-高い収益性(Profitability ≒ ROE)

-高い成長率(Growth)

-高い安全性(Safety)

-高い配当性向(Payout)

市場効率性の信奉者はクォリティの高い企業が特定可能であることには、まず同意するでしょう。

しかし、市場が効率的であれば、そうした企業の株価は既に割高でその後の(リスクに対する)リターンは平均的なものになることが示唆されます。つまり効率市場仮説に立つと、高クォリティの会社への投資が低クォリティへの投資より優れているとは言えないと考えます。

対照的に、クォリティ投資家は、クォリティは完全には価格に織り込まれていないため、将来のリターンは平均以上であり、クォリティを見つけることは割りに合うと考えます。