元外資系バリキャリ金融女子で、会員数1万人を超える業界トップ規模のオンラインサロンを運営する河村真木子さんが、マリ・クレール読者からのリアルなお悩みに本音で答えていく「河村真木子のリアル人生相談」。第13回は、メンタルヘルスの整え方について答えていく。
お悩み相談:喪失感で前進できない
――最近、離婚をしました。はじめのうちはよかったのですが、そのうち心にぽっかりと穴が開いたような喪失感にさいなまれてきて、前に進むことができなくなりました。どうしたらまた自分らしさを取り戻せるでしょうか?(33歳/女性)
私も、過去に長年一緒に住んでいた彼に振られたときに、質問者さんと同じように心にぽっかり穴が開いてしまったことがあります。プライベートでうまくいかないことがあると、意外と仕事が手に付かなくなるタイプなんです。
最初の3ヶ月くらいは本当につらいんですよね。でも、新しい出会いは前の人を失わないと来ないものなので、別れることは次のステップに進めて、新しい自分を発見できるきっかけだと考えてみるのはどうでしょうか。
――つらい時期はどう乗り切ればいいでしょうか?
当時の私はうまくできませんでしたが、今思えば、メンタルヘルスを維持するためには、「規則正しい生活」「運動」「食事」が大切なんです。つらい時期は心がついてこないものですが、まずは動いてみることがポイント。身体からヘルシーにしていくことを続けていると、だんだん前向きな気持ちがわき上がってくるはずです。
それと、人間って「忘れる生き物」だということも、心の隅においておくといいかもしれません。別れた時はこの世の終わりだと悲観してしまいますが、いずれ「あの人誰だっけ?」となったりするものです。
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3回のうつ病から回復できた
――メンタルケアについてさらにお聞きしますが、河村さんは以前、うつ病を3回経験したとお話しされています。その時の様子を教えていただけますか?
短期間ですが20歳、30歳、40歳あたりで3回うつ病を発症しました。一番長かったのが20歳の時で1年くらい。最初はその状況がうつだって分からなかったので、長引いてしまいました。
振り返ってみると、私の場合はホルモンバランスの変化が大きく関係していたと思います。20歳のころは、ホルモンが崩れやすい年齢で、さらにアメリカの大学で自分のキャパを超えるほど勉強に打ち込んでいたことが発症の原因でした。
30歳のころは、産後にシングルマザーになり、さらに外資系金融会社へ転職もしたとき。産後というホルモンの大きな変化とプレッシャーが重なり、発症しました。でも、過去に一度経験していたので、「また来た」という感覚。同僚に紹介された名医にかかり、薬とカウンセリング、行動療法を受けて、1ヶ月くらいで回復していきました。
40歳のときは、子宮摘出が関係していたと思います。子宮を取ると腸も動くそうで、 腸はメンタルと深く関わっているので、それが原因だったかもしれません。休職していてストレスもなかったのに、突然ドーンと落ちてしまって。身体と心はつながっているんだと実感しました。
――うつになったとき、具体的にはどんな症状が出たんですか?
私は心というより、身体に症状が出ました。胸が苦しく、呼吸が浅くなって過呼吸気味になり、息がしにくくなるんです。交感神経が優位になりリラックスできない状態が続いて、「何かおかしいな」と感じました。
身体がそうなると、朝起きてもどこへも行きたくなくて、ときには死にたいとすら感じました。世の中のことに何も興味がわかなくなるんです。その症状は徐々に来るのではなく、わりと突然やってきました。
――周りの人にはご自身の状況を伝えていましたか?
親しい人には「今うつで、食欲がないから、一緒にご飯へ行っても何も食べられないかも」と正直に話していました。それほど明らかに食欲がなくなってしまうんです。
でも、うつは自分で向き合っていかなきゃいけないと分かっていましたし、信頼できる医師の適切な指示に従うことが大事だという指針もありました。特に、自分なりの傾向がわかってきた40歳の時はそうでした。薬を処方してもらい、短期間で整っていきましたが、再発防止のために薬は勝手にやめず、医者のプランに従って少しずつ減らしていきました。