物価高の中においても、料金満足度は向上
2021年に始まった官製値下げ以降、携帯電話業界ではより安価な料金プランが多く登場したが、端末代と通信契約のセット値引きを禁止する法改正や、昨今の物価上昇によるユーザーの節約志向の高まり等の中、携帯料金に対する顧客の目は厳しさを増している。
しかし、そのような中においても業界全体の「各種費用」の満足度は向上している。2021年の「各種費用」の業界全体スコア(1,000点満点)は573ポイントであったが、本年調査では620ポイントとなり、+47ポイントと大きな改善が見られている。
前述のとおり、大手キャリア部門では「各種費用」の満足度は年々向上の傾向にあるほか、MVNO部門においても前年から向上している。新規事業者の参入やポイント経済圏競争が激化していく中、昨今の各社による新しい料金プランの提供は携帯電話市場全体の料金評価の改善に寄与していることがうかがえる。
一方で、携帯電話各社においては、通信品質の維持や5Gネットワークの拡大に向けたインフラ投資も必要とされており、収益改善やARPUの向上が至上命題となっている。このため、携帯電話契約に加えエンタメ・金融等の非通信系サービスの契約獲得の重要度も増している。
店舗やコールセンターといった従来の顧客接点チャネルも活用しながら、効果的なキャンペーンや特典提供によって、携帯外収入の増加や経済圏ビジネスの更なる強化が求められる。
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J.D. パワー 2024年携帯電話サービス顧客満足度No.1を発表
総合満足度ランキングは下記の通り。
【大手キャリア部門】(対象3ブランド)
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第1位:docomo(605ポイント)
4年連続の総合満足度第1位。「通信品質」、「各種費用」、「サービスメニュー※」の3ファクターで最高評価。
第2位:au(598ポイント)
「サービスメニュー※」「手続き・サポート対応」の2ファクターで最高評価。
第3位:SoftBank(597ポイント)
「提供端末」ファクターで最高評価。
※docomoとauの「サービスメニュー」ファクターのスコアは同点。
【バリューキャリア部門】(対象3ブランド)
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第1位:Y!mobile(651ポイント)
3年連続の総合満足度第1位。「通信品質」、「サービスメニュー」、「提供端末」、「手続き・サポート対応」の4ファクターで最高評価。
第2位:UQ mobile(644ポイント)
第3位:楽天モバイル(635ポイント)
「各種費用」ファクターで最高評価。
【MVNO部門】(対象6ブランド)
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第1位:日本通信SIM(715ポイント)
「通信品質」、「各種費用」、「サービスメニュー」、「手続き・サポート対応」の4ファクターで最高評価。
第2位:イオンモバイル(668ポイント)
第3位:IIJmio(664ポイント)
「提供端末」ファクターで最高評価。
【オンライン専用ブランド/プラン部門】(対象3ブランド)
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第1位:povo(680ポイント)
「各種費用」、「サービスメニュー」、「手続き・サポート対応」の3ファクターで最高評価。
第2位:LINEMO(679ポイント)
「通信品質」ファクターで最高評価。
第3位:ahamo(639ポイント)
《 J.D. パワー 2024年携帯電話サービス顧客満足度調査SM概要 》
年に1回、スマートフォンを利用している人を対象に、携帯電話サービスの利用状況や各種経験、満足度を聴取し明らかにする調査。今回で26回目の実施となる。
■実施期間:2024年7月下旬~8月上旬
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:スマートフォンを利用している人(18歳~74歳)
■調査回答者数:大手キャリア部門:9,300人/バリューキャリア部門:4,600人/MVNO部門:3,000人/オンライン専用ブランド/プラン部門:2,400人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「通信品質」(29%)、「各種費用」(27%)、「サービスメニュー」(21%)、「提供端末」(12%)、「手続き・サポート対応」(11%)となっている(カッコ内は影響度)。
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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