「窓の開閉がスムーズにできない」
「窓からすきま風が吹く」
「窓の結露によってカビが発生する」
「窓ガラスの傷や汚れが気になる」
このような窓の劣化や断熱性の低さの悩みは、窓のリフォームで解決できます。ただし、リフォームを検討する上で気になるのが費用面です。
今回は、窓リフォームの種類や費用、使える補助金の情報までご紹介します。
1.窓リフォームの種類と費用
まずは6種類の窓リフォームについて、費用や解決できる悩みをまとめてご紹介します。
暑い・寒い |
・あまり開閉しない窓をリフォームしたい ・マンションに住んでいる |
5〜30万円 |
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・よく開閉する窓をリフォームしたい ・窓の建て付けが悪くなってきた ・窓が一回り小さくなってもいい |
5~30万円 |
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・よく開閉する窓をリフォームしたい ・窓の建て付けが悪くなってきた ・窓の大きさを変えたい |
10~50万円 |
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ガラスの割れ |
・窓枠やサッシは劣化していない |
0.8~5万円 |
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防犯性 |
・光は取り込みたい |
10~45万円 |
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防犯性 |
・窓は完全に必要ない |
5~25万円 |
注意:マンションの窓リフォームには制限がある
マンションの窓は共用部分のため、原則として窓の交換や窓をふさぐリフォームができません。
内窓の設置であれば可能なマンションが多いため、管理規約をしっかりと確認しリフォームを実施しましょう。
1-1.内窓(二重窓)の設置
内窓(二重窓)の設置とは、既存の窓の内側に新しい窓を設置する工法です。窓が二重になることで、断熱性・防音性・防犯性・耐震性が高められます。
既存の窓に手を加えないため工期が約1~2時間と短く、費用も抑えられる点がメリット。また、マンションでも比較的実施しやすい工法です。
ただし、窓が2枚になるため、掃除や開閉の手間が増えるのはデメリット。バルコニーへ繋がる掃き出し窓など頻繁に開閉する窓では、窓が2枚になっても問題ないかよく検討しましょう。
5~10万円 |
8~20万円 |
10~30万円 |
1-2.カバー工法での窓の交換
カバー工法とは、既存の窓枠の上に新しい窓をかぶせるように取り付ける工法です。壁を壊さないので、約半日~1日とスピーディーに窓を交換することができます。
既存の窓よりも性能の高いサッシや窓ガラスに交換することで、断熱性・防音性・防犯性・耐震性を高めることができます。また、窓が新しくなるため、劣化による開閉のしづらさや隙間風などの問題を解決することができます。
ただし、カバー工法で窓を交換すると、ガラス面は一回り小さくなってしまいます。
5~10万円 |
10~15万円 |
10~20万円 |
1-3.はつり工法での窓の交換
はつり工法とは、外壁を壊して今ある窓を撤去し、新しい窓に丸ごと交換する工法です。カバー工法と同じように断熱性・防音性・防犯性・耐震性を高めたり、劣化による建て付けの悪さ問題などを解決したりできます。
はつり工法は外壁を壊す大掛かりな工事になり、工期が約2~4日と長く、コストも高くなるのがデメリット。最近の窓交換は、手軽なカバー工法が用いられることがほとんどです。
ただし、はつり工法を用いると、今より窓を大きくしたり、小さくしたりすることもできます。デメリットは考慮しなければなりませんが、最も自由な工法といえるでしょう。
10~15万円 |
20~30万円 |
40~50万円 |
1-4.窓ガラスの交換
サッシはそのままで窓ガラスのみ交換する工法です。約1~2時間で工事が完了します。
既存のガラスより性能を高めることで、断熱性・防音性・防犯性・耐震性の向上が期待できますが、ガラスのみの交換のため他の工法よりも効果は限定的です。
またサッシは既存のものをそのまま使用するため、サッシ部分の劣化による問題は解決することができません。
しかし、サッシ交換がないことで費用を抑えられるメリットもあるため、既存のサッシの状態を確認して実施を検討しましょう。
0.8~3万円 |
1~3万円 |
2~5万円 |
※ガラスの性能によっては費用相場よりも高い窓ガラスもあります。
1-5.シャッターの設置
窓の外側にシャッターを設置することで、断熱性・防音性・防犯性・耐震性が高められることや、台風の時などに窓ガラスを保護することができます。
また、シャッターを閉めると外から見えなくなるため、プライバシーを強化できるメリットも。
災害に備えたり完全に外からの視線を遮断したりして、より安心して過ごせる窓にしたいと考える方におすすめです。
シャッターを取り付ける費用は、電動・手動によって大きく変わります。また、開口幅や本体の素材によっても費用が変動します。シャッター設置の工期は約1日です。
10~20万円 |
15~45万円 |
1-6.窓をふさぐ
窓をふさぐ方法には、窓を残したまま内装リフォームをして室内側のみふさぐ方法と、窓枠を無くし内装と外装のリフォームをして室内外共にふさぐ方法があります。
工期は一般的に1週間程度と長いため、工事の期間生活に影響が出ることも。事前の計画が大切です。
窓自体がなくなるため、窓がある時よりも断熱性、防音性、防犯性、耐震性を高められたり、プライバシーが確保できたりすることがメリット。
また、窓の位置を気にせずに間取りを変更できたり、まぶしいと感じていた窓を無くしたりすることもできます。
一方、日当たりや通気性は悪くなり、簡単に戻せないことがデメリット。窓がなくなっても問題がないか、よく考えてリフォームしましょう。
5~10万円 |
10~25万円 |
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2.窓のリフォーム費用を安く抑える方法
窓のリフォームは補助金制度の利用対象になることもあります。
ここでは、窓リフォームの費用を安く抑えるための制度や方法をご紹介します。
2-1.補助金制度を活用する
断熱性を向上させる窓のリフォームは補助金の適用対象になることもあります。ここでは、代表的な窓リフォームの補助金をご紹介します。
この他にも、自治体が独自で設けている補助金制度もあるため、確認しましょう。
・先進的窓リノベ2024事業
窓のリフォームに特化した補助金制度です。
窓ガラス交換や内窓の設置、窓や玄関ドアの交換にかかった費用の一部を補助してもらえます。
採用した窓の断熱性能や大きさ、設置方法に応じて金額が変動します。
5~200万円/戸 |
2024年3月29日~予算上限に達し次第終了 (遅くとも2024年12月31日まで) |
事務局に登録された施工業者 |
・子育てエコホーム支援事業
新築やリフォームに対する補助金制度です。
リフォームの場合は、子育て世代や若者夫婦だけでなく、すべての世帯が補助を受けられます。
幅広い工事が補助金の対象となっており、窓などの開口部の断熱リフォームも含まれています。
〈子育て世帯または若者夫婦世帯〉上限60万円/戸 〈その他の世帯〉上限30万円/戸 |
2024年4月2日~予算上限に達し次第終了 (遅くとも2024年12月31日まで) |
事務局に登録された施工業者 |
・既存住宅における断熱リフォーム支援事業
トータル断熱(断熱材、窓、ガラスを組み合わせた断熱リフォーム)、または、居間だけ断熱(窓を用い、居間をメインに断熱リフォーム)を行った際の補助金制度です。
〈補助率〉1/3 〈上限額〉評価基準型80万円/戸(終了)・認定長期優良住宅型160万円/戸 ※最大50万円の加算要件あり |
〈通年申請タイプ〉2024年5月13日~2024年12月23日 〈事前採択タイプ〉2024年7月中旬~2024年12月23日 |
事務局に登録された施工業者や買取再販業者 |
・次世代省エネ建材の実証支援事業
次世代省エネ建材を使用するリフォームを対象とした補助金制度です。
外張り断熱・内張り断熱・窓断熱の3種類が対象で、窓断熱の場合は1戸あたり上限150万円までの補助が受けられます。
[外断]補助率1/2以内、上限:400万円 [内断]補助率1/2以内、上限:戸建200万円/戸、集合125万円/戸 [窓断]補助率1/2以内、上限:150万円/戸 (窓・玄関ドアと任意製品併用の場合は200万円/戸) |
〈一次公募〉2024年5月7日~2024年8月30日17:00締切 〈二次公募〉2024年9月9日~2024年11月29日17:00締切 ※2024年10月4日時点で二次公募の受付は終了しました。 |
[外断]住宅の居住者かつ所有者である個人(法人は対象外) [内断][窓断]上記に加え、賃貸住宅の所有者である個人又は法人 |
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2-2.減税制度
一定の条件を満たす省エネリフォームを行うと、所得税や固定資産税から一定額が控除され、還付金を受け取れる制度もあります。
また、親・祖父母等からリフォームのための資金贈与を受けた場合、一定の金額まで贈与税が非課税となります。
減税制度を適用するには申告が必要なため、事前に確認しておくと安心です。
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2-3.相見積もり
窓リフォームは工事内容や費用が決まっているものではないため、複数の業者から見積もりをとって比較検討することが重要です。
不要な工事がないか、不当に高額な請求ではないか、どの業者に依頼すると費用が抑えられるかなどが分かり、安心してリフォームすることができます。
また相見積もりをとることで、提案力の高さや対応の丁寧さを比較することができ、より良いリフォーム会社を見つけられるでしょう。