大阪府東大阪市内の高速道路で、渋滞にはまった観光バスが境界エリアのポールを倒して別車線へ移る様子を撮った動画がXで投稿され、波紋が広がっている。
観光バスは、バスガイドの誘導で移動していた。動画投稿を受けて、バスを運行する「播磨乃国観光バス」(兵庫県たつの市)は2024年11月1日、「あってはならないこと」だとして、公式サイトで謝罪した。
「乗務員が法令に接触する恐れのある事態を発生」
観光バスは、阪神高速と近畿自動車道が交差する東大阪ジャンクション(JCT)近くで渋滞にはまり、ハンドルを切って右側の別車線に出ようとする。
その間には、白線で囲まれオレンジ色のポールが並んだ境界エリアがあった。女性バスガイドがそこに降りて、左足でポールを折り曲げる。続いて、右足でまた折り曲げ、バスを誘導すると、バスは、切り返して右折し始めた。
バスがポールの上に乗り、右に進むと、バスガイドが乗車したのか少しストップした。そのまま、ポールを踏み付けて、やっと別車線に出ていた。
バスは、ポールを2つ踏んでおり、そのまま車線を走って行った。その先の大阪市内に向かう合流車線は、渋滞はなく、車が流れていた。
この動画は、10月31日朝、Xで投稿され、渋滞とはいえ観光バスがこんなことをしてはダメではないか、などと指摘された。関心を集めて、1000万回以上再生されている。
ネット上の騒ぎを受けて、このバスを運行する播磨乃国観光バスは11月1日、「お詫び」と題する社長名のお知らせを公式サイトで出した。
そこでは、「弊社乗務員が法令に接触する恐れのある事態を発生させました」として、次のように説明している。
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「急いでいたわけではなく、詳細を答えるのは控えたい」
「この件につきまして、多大なるご迷惑とご心配をおかけすることになり、大変申し訳ございません。交通使者としては、あってはならないことをしました。所轄の警察・運輸局へ報告し、その指導を待つ状況です。また、当該乗務員と管理者を含め、厳正な処分を下しました」
そのうえで、「今後このような事を二度と起こさぬよう、会社として乗務員の教育を徹底し、法令を必ず守る事を指導して参ります」としている。
播磨乃国観光バスの担当者は11月1日、J-CASTニュースの取材に対し、バスの運転手がなぜこのような行為をしたのかなどについて、こう話した。
「急病が発生したり、空港に向かおうとしたりはしておらず、乗務員は、急いでいたわけではありません。詳細については、お答えを控えさせていただきます。道交法違反にはなりませんが、抵触する恐れのある法令については控えたいと思います。バス会社として、モラル的に問題があったと考えています。警察には、今回のことを報告して、指導を受けています。運輸局にも報告しました。弁護士と相談しており、乗務員は今後処分します。今後は、このようなことがないようにしたいと思っています。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)