【もしかして認知症?】早めの受診が重要な理由をチェック

Q2:どこの科を受診すればいい?

A2:まずはかかりつけ医を受診。地域包括支援センターにも相談を

「認知症が疑われたら、まず『かかりつけ医』に相談することから始めて、認知症を診ることができる医療機関を紹介してもらうのが基本です」と杉山さん。かかりつけ医がいない場合などは、市町村の地域包括支援センターに相談したり、認知症の相談機関に問い合わせたりするといいでしょう。

認知症を診る医師がいるのは、認知症医療疾患センターをはじめ、病院の精神科、精神神経科、もの忘れ外来などです。町のクリニックにも、もの忘れ外来などを掲げているところがあります。

「病院の精神科や精神神経科へ行くのに抵抗がある人は、まず老年科や心療内科、神経内科などで一般的な診断を受け、専門的な診療に移行してもいいでしょう」(杉山さん)

認知症に関する相談&情報の窓口

市町村の地域包括支援センター
市町村の高齢者社会福祉担当、介護保険担当窓口
市町村の保健所、保健センター
市町村の社会福祉協議会
公益社団法人 認知症の人と家族の会
https://www.alzheimer.or.jp/
相談窓口 0120-294-456(無料)(月~金曜10時~15時、祝日は休み)
一般社団法人 日本認知症本人ワーキンググループ
 http://www.jdwg.org/

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Q3:もし本人が受診をためらったら?

A3:状況を演出するひと工夫でスムーズな受診を

早期受診が大切とはいえ、本人が受診をためらうことがよくあります。その場合、次のような方法を試してみましょう。「状況をうまく演出して受診にもっていくのがコツです」と杉山さんは話します。

家族が「私の健康診断に付き合ってくれない?」と誘ってみる。
理解のある医師に訪問診療してもらう。
病院自体が嫌な人には「保健所に健康診断に行きましょう」と誘ってみる。
信頼を寄せているかかりつけ医に「知り合いのよい先生を紹介しましょう」と専門医の受診をすすめてもらう。

次回は、家族が認知症と診断された場合に利用できるサービスや、介護のお金のこと、さらに認知症の家族との接し方のコツについてです。

取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年4号を再編集し、掲載しています。