角膜を傷つける原因「ドライアイ」
目が乾いた感じがする、ゴロゴロするという方は、ドライアイの可能性があります。
「これは涙の分泌量や質が低下することで目の表面が乾燥してしまう、れっきとした病気です。涙の量が十分でも、まつ毛の生え際にある『マイボーム腺』が詰まり、眼球を覆う油分が減ることでも起きます。症状が長引くと、角膜が傷ついたり、角膜に血管が伸びて白濁し、視覚障害を引き起こす恐れも」(清水さん)
目が赤くなりやすい、疲れやすい方も要注意です。
「ドライアイ」をセルフチェック!
Q.10秒間、目を開けていられますか?
目を開けたまま、10秒数えてみましょう(目は見開かず、いつも通りの開き方で)。瞬きが我慢できない人は、ドライアイの可能性が。
ドライアイは生活習慣の工夫で予防できる病気です
パソコン作業などに集中すると、瞬きが減り目が乾きやすくなります。適度に目を休め、作業の前後で点眼するのがおすすめです。市販の目薬なら、ドライアイ用で防腐剤不使用のものを。
またマイボーム腺の詰まりには目のまわりを温めたり、やさしくマッサージするのが効果的です。
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目の病気を予防&悪化させない3つの心得
心得1:目薬は正しく差す
目薬を差すときは手指をきれいに洗い、目の粘膜に触れないように注意しながら下まぶたを引いて点眼します。量は1滴で十分です。点眼後は目をパチパチ開閉せず、軽く閉じたまま数分間待つと、点眼液が行き渡ります。
心得2:近親者が目の病気にかかったら自分も意識する
「目の病気には、緑内障や加齢黄斑変性など、遺伝的な要因が指摘されているものも少なくない」と清水さん。家族に罹患者がいる場合は、「自分もなる可能性が高い」と考えて、今回解説した各症状がないか特に注意を払いましょう。
心得3:かかりつけの眼科を持ち年1回は検診を受ける
「目の病気の早期発見・早期治療には、異常があったらすぐに相談できるかかりつけの眼科を持つことが大事」と清水さんは言います。自覚症状が出たときには症状が進んでいることもあるため、異常がなくても1年に1回は検診を受けましょう。
3回に分けて紹介した「怖い目の病気」。「人は、情報の8割を視覚から得ている」といわれるように、目の健康は将来の生活の質を大きく左右します。気になる症状がある人は早めの対策を!
取材・文=新井理紗(ハルメク編集部)、イラストレーション=落合恵
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年3月号を再編集しています