時代錯誤が分からない制作陣、CM中に油断する先輩アナ

そのうえで、影山教授はまず、動画を公開した作り手の責任に言及した。

今回のやり取りを公開したということは、作り手側がそれを「面白い」と捉えたからだと推測される。影山教授は、その感覚を「時代錯誤」だとし、さらに「時代錯誤という認識がない」とも指摘した。

次に影山教授は、先輩アナらの問題点についても言及する。

今回問題となったのは、本来であればオンエアされないCM中のやり取りだ。一方で、先輩アナらが上垣アナを褒めているのは、「放送後コメント」として公開を前提に撮影されたものだった。

影山教授は、先輩アナらはCM中、公開されるという意識がなく油断していた可能性があったとしつつ、そうであったとしても公開映像と落差のある発言は「演者として好ましくない」と指摘した。

また、「(先輩アナ)3人とも悪気はないと思います」としつつ、彼らのアナウンサーとしてのきれいな発音、アクセント、口調が、より「厳しくきつく」聞こえてしまったことも「炎上」の一因ではないかとも指摘。「自分の話す言葉がどのように響くのか。言葉の使い方をしっかり身に着けてほしい」と話した。

(広告の後にも続きます)

「表裏の差を限りなく少なく」

さらに、影山教授は「炎上」後のフジテレビの対応にも問題があったと指摘する。

問題の動画はコメント欄が閉鎖されているが、コメントを発表後も削除はされずに公開されたままだ。

「反省の弁を述べるのだったら、もうこのようなことがないようにと、動画も閉じるべきじゃないかなと思います」

では、これからの時代、メディアが発信をする際に気を付けるべきことは。影山教授は「表裏の差を限りなく少なくしなければいけない」と指摘する。

「これをしておけば大丈夫、とやり過ごすのではなく、頭のてっぺんから足のつま先までしっかりと今の時代、社会を理解し、それを番組に反映させていけば、素晴らしい番組を提供し続けることができると思います」