外国で滞在し、母国に帰国するまでの間、異文化でのカルチャーショックやホームシック、疎外感などは誰しもが経験することです。さらに、帰国後にもショックを受けることは度々あって……。本記事では、留学前・中・後それぞれでの不安について、尾﨑由博氏の著書『アフターコロナの留学』(総合法令出版)より一部を抜粋・再編集して解説します。

相談できる窓口を知っておこう

どうしても精神的に辛い状況が続くという時にはメンタルヘルスの専門家(カウンセラー)や関連の相談窓口の活用ができることも覚えておいてください。

所属先(大学など)の友人・教員

所属先のカウンセラー

留学先の留学生担当者

「海外心のヘルプデスク24時」などのカウンセリングサービス

など、あまり多くの方に知られていないかもしれませんが、海外留学中に頼れる組織・人は、たくさん用意されているのです。特に大学に所属されている方、大学のプログラムで海外に派遣される方は、ご自身の大学が用意する相談窓口を出発前にチェックするとよいでしょう。

新型コロナウイルス感染症を機に日本政府外務省も、世界各地で隔離生活を余儀なくされている日本人向けのメンタルサポートを充実させました。以下5つのNPOは、海外で暮らす日本人の精神的な不調が相談できる、日本政府外務省と連携している組織です(2022年時点)。チャットなどでも相談ができるようになっていますので、本当に困った時にはこうした組織にもぜひ頼るようにしてください。

特定非営利活動法人あなたのいばしょ

特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク

特定非営利活動法人チャイルドライン支援センター

特定非営利活動法人東京メンタルヘルス・スクエア

特定非営利活動法人BONDプロジェクト

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精神的な不調は一度きりとは限らない

過去の研究から、外国で滞在し、母国に帰国するまでの間、精神状態は「W」の字を描くと言われています。



[図表]海外経験の精神状態 Wの字

異文化でのカルチャーショックやホームシック、滞在中の疎外感などは皆さんのせいではなく、誰しもが経験することです。また、現地滞在が長くなり、一時的な精神状態の不調を脱したとしても、何度か浮き沈みを繰り返すことも正常な心の反応であると覚えておいてください。