今週のテーマは「三度目のデートがない男の敗因は?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:「デート中、女性はここを見ている!」33歳経営者の男がアプリでマッチしても、3度目がない理由
大人になってから、人は本能で恋ができるのだろうか。
いや、学生時代にモテていた男の子や好きになった人も、今から考えると、ある程度顔の条件や身長が加わっていたのかもしれない。
小学生の時は、運動神経が良くてかけっこが速い男の子がモテた。中学生になると、ちょっと悪そうな子だったり、文武両道のバスケ部やサッカー部の先輩がモテたり…。
そんなどうでも良い過去を思い出さずにいられないのは、最近マッチングアプリで出会い、二度ほどデートをした慎也のせいなのかもしれない。
経営者で顔も悪くなく、身長も高い。稼いでもいる。
条件で好きになれるならば、完璧な相手だったと思う。
しかし私は二度デートをした結果、この先進めても良いのかどうか迷っている。
A1:もっとお互いに質問をすべきだった。
慎也と出会ったのは、マッチングアプリだった。
爽やかな顔立ちだけではなく、33歳の経営者で、身長は186cm。明治大学卒という完璧なプロフィールに、思わず“いいね”を押した私。
すると向こうから“ありがとう”が来て、マッチし、やり取りをすることになった。そして1週間後。私たちは代官山のカフェで会うことになった。
「初めまして、梓です」
「初めまして、慎也です」
写真とほぼ変わらない印象の慎也。最初から話しやすくて、腰も低くて良い雰囲気の人だった。
「すみません、僕の家の近くにしちゃって」
「いえいえ、全然。タクシーで10分くらいだったので」
「良かったです。何飲みますか?」
「じゃあ…アイスのソイラテにしようかな」
最初はいたって普通の会話の流れだった。マッチ後初めて会うのだから、色々と知りたいこともある。
そもそも、マッチングアプリを使っている時点で、ゴールは一つ。交際に進むのか、進まないのか。それしかない。
だから早めに目的を聞くことにした。
「慎也さんは、なんでアプリを使っているんですか?」
「僕は彼女と別れて1年くらい経つんですが、そろそろ誰か探そうかなと思いまして。でもあれですよ?そんな実際には会っていないですし、梓さんが素敵だなと思ったので」
「嬉しいです。ありがとうございます」
しかしここで、私は違和感を覚えた。
もちろんこの後は、「梓さんはどうして?」とか、「最後に彼氏がいたのはいつくらいですか?」との質問が続くと思っていた。
しかし慎也は全然違う会話を振ってきた。
「梓さん、お仕事は何をされているんでしたっけ?」
― そっちですね…。
でも仕事のことを聞かれたので、私ももちろん全力で答える。
「私は外資系のメーカーで働いています」
「へえ。カッコイイですね」
「慎也さんは…経営されているんですよね?何系ですか?」
「僕は人材系の会社を経営していて」
「そうなんですか?すごい」
しかしこの後、慎也から私に質問を積極的に投げかけてくることはなかった。
私が質問をして、彼が返答する…。この繰り返しだ。
「梓さんって、聞き上手ですよね。思わずペラペラと喋っちゃいました」
「いえいえ。お話が面白いので、つい聞きたくなっちゃいました」
ただ、慎也的には楽しかったらしい。解散前に、彼は次のデートに誘ってきた。
「もし良ければ、次は食事へ行きませんか?梓さんを連れて行きたい店があるんです」
「いいですね!行きたいです」
初対面だったし、自分のことをたくさん話したい人もいる。そういうタイプかな?と思ったので、とりあえずもう一度食事へ行くことにした。
A2:自分に興味があるのかわからなかった
二度目のデートは、慎也が「連れて行きたい」と言っていたお店へ行くことになった。
「このお店、予約取れるんですか…?」
「そうなんだよ。意外に取れること、みんな知らないんだよね」
西麻布交差点からすぐ近くにあり、個室しかないという『しゃぶしゃぶ九 西麻布本店』は港区らしいお忍び感があり、しゃぶしゃぶも絶品だった。
「慎也さんって、グルメなんですね。お店とかたくさん知ってそう…!」
「そうですね。食べることが好きなので、人よりは知っているかもです」
「普段はほとんど外食ですか?」
今日も、会話はちゃんと成り立っている。
「結局そうなっちゃってますね…。梓さんは?自炊とかするんですか?」
「意外にしますよ!」
「そうなんですね。何を作るんですか?」
質問も、適度にはされる。
だから完全なる一方通行ではない。でも、私は前回の初対面の時に感じていた違和感の答えが、このデートで出た気がする。
「僕は、アウトソーシングできるところは頼れば良いと思っています。家事代行とか、例えば子どもが生まれた後はシッターさんに頼むとか…」
「そうですよね。でもそういう考えを持っている男性って、少なくないですか?」
「本当に?」
目の前で優雅にサーブされる神戸牛の美しいしゃぶしゃぶ。それらをゆっくり堪能しながら、私は気がついた。
会話は成り立つけれど、慎也から私に対する興味が感じられない。
「僕の場合、仕事が忙しいのであまり家にいなくて。だから汚れもしないし、基本的に綺麗なんですよね」
「そっか、そんなにお忙しいんですね」
私が投げかる質問は、この先恋愛に発展するのかどうかを考えているものが多い。
でも慎也からの質問は、ただ人として「これは返事をしておこう」としか考えていないようなものだ。
「意外と…。だから誰か、家で待ってくれている人がいたらいいなぁと最近思っていて」
なので慎也からこの言葉が出てきた時に、驚いてしまった。
「結婚願望あるんですか?」
「もちろんです!だからこうやって、真剣にアプリも使って探していますし」
それにしては、私に興味がなさすぎる。もう少し「好きなタイプはどんな人ですか?」とか、「梓さんは結婚願望がありますか?」とか聞いてきてほしい。
― そんなにも私に興味ないのかな…。そもそも、慎也さんは何で私と会っているんだろう?
「慎也さんって、結婚願望はないのかな?と思っていました」
「え〜。めちゃくちゃありますよ!」
「おひとりでも完結できそうだったので…。でも知れて良かったです」
「いつでも結婚できます(笑)」
ここも、もし私に興味があったら「梓さんみたいな人と結婚できたら幸せだろうな」くらい言ってきてほしい。
アプリを使っている時点で、お互いゴールは一緒のはず。
それなのに、ここまで自分が質問されずに、一方的に話をされると、「この人は私に興味がない=この先に進める可能性がない」と思ってしまう。
仮に、これが誰かの知り合いの紹介で、「彼女を探していて、梓ちゃんがタイプらしい!」とかわかりやすい何かがあればこちらも安心できる。
でもアプリで出会った以上、相手をどう思っているのか。この先進めるのか、進めないのか…などの方向性、並びに明確性は早めに出すべきだと思う。
そして何より。可能性のない相手に費やしているほど、33歳の私に時間の余裕はない。
だから一旦、慎也は“時間の無駄”と判断させていただくことにした。
▶【Q】はこちら:「デート中、女性はここを見ている!」33歳経営者の男がアプリでマッチしても、3度目がない理由
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
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