過去5万本の記事より大反響だった話をピックアップ!(初公開2023年4月24日 記事は取材時の状況) * * *
離婚理由は人それぞれだが、不倫が原因のケースはいったいどのくらいあるのか? 法務省が2021年に行った『協議離婚に関する実態調査』によると、一番の理由は「性格の不一致」の63.6%だが、次いで多かったのは不倫を含む「異性関係」の23.8%。
その場合、パートナーの有責となり、不倫相手との双方に慰謝料を請求できるが、なかには支払いを無視する者も。5年前に妻の不倫が原因で離婚した中村宏太さん(仮名・41歳)も不倫相手からは1円も支払われていない。
◆妻の不倫相手は中国人男性だった
「200万円ずつを請求し、妻からは一括ですぐに振り込まれました。しかし、不倫相手からは期日までに入金が確認できなかったため、弁護士に連絡してもらうと音信不通。すでにスマホを解約しており、それどころか自分の国に戻っていたんです」
ちなみにこの不倫相手は中国人。共働きだった妻がある時期から、急に泊まりの出張と称して家を空けることが増え、夜の営みも「今日は疲れてるから」と拒まれるようになって、ほぼレス状態……。当初は仕事が忙しいからと思っていたが、以前よりも心なしか化粧や服装に気を遣うようになったことに不審を抱き、興信所に調査を依頼したらビンゴだったという。
◆妻との不倫を認めたが…
「出張と言っていた日は不倫相手の家に泊まり、別の日にはラブホテルに一緒に入る決定的な写真と動画を貰いました。その時点で相手が中国人であることを聞きましたが、国籍がどこであろうが妻と不倫していたのは事実。当然、慰謝料を請求するつもりでした」
相手の男性は呼び出しに応じ、弁護士事務所での話し合いの席では中村さんに謝罪。既婚者であることを知りながら妻と関係に及んだこともあっさり認める。
この日はあくまで事実確認だけだったが慰謝料を請求するつもりだと告げ、それについては後日連絡することを伝えて解散。翌週に再び会い、慰謝料200万円のうち、最初に100万円を払い、残額を月5万円の20回分割払いにする合意書にサインしてもらったそうだ。
◆なぜか慰謝料が振り込まれず…
「相手の支払い能力などを判断し、かなり譲歩しましたが、特に揉めることなく合意できたのでホッとしていました。ところが、冒頭でも話したように支払い日の翌日になっても約束した最初の100万円の入金が確認できなかった。弁護士に伝えると『すぐ本人に連絡してみます』と仰ってくれましたが、それから10分もしないうちに『携帯を解約したのか本人と連絡が取れなくなりました』って。予想してなかった展開だったのでさすがに驚きました」
担当弁護士は不倫相手が住んでいた自宅を訪れたが、すでにもぬけの殻。同じアパートの住人の証言から合意書にサインした日の数日後には家を引き払っていたことが判明する。
◆連絡を絶ったうえ、中国へ帰国していた
妻も連絡が取れなくなっていたが彼女からバイト先を聞き出し、そこの店長に弁護士が接触。すると、アパートを引き払ってそのまま中国に帰国していたことが明らかに。
「バイトも急に辞めてしまったらしく、本当に突然のことだったみたいです。でも、本人は以前から『そろそろ国に帰らなきゃいけない』と話していたそうで、不倫がバレたタイミングに便乗して帰国を決断したのかもしれません」
実は、この店長から不倫相手のメールアドレスを教えてもらい、弁護士が振り込み期限がとっくに過ぎている旨を伝えると『慰謝料の支払いを拒否します』とのメールが届いたとか。しかも、それ以降は何度メールを送っても向こうからの返信はなかった。
◆結局、不倫相手は逃げ得に…
「母国へ帰った相手から慰謝料を取ることは難しいみたいで結局それっきり。弁護士からは依頼した際に『帰国されたら手の出しようがない』とは言われてましたが、途中まで払う意思を見せていたのに最初から逃げるつもりだったのかもしれません。正直、不倫されたことよりもショックです」
なお、妻からも離婚成立後に荷物を自宅に取りに来た際、「あなたのせいで彼と連絡が取れなくなったじゃない!」と文句を言われてしまう。それでも「いい気味だよ」と言い返すと悔しそうな表情を浮かべていたそうだ。
「少しだけスカッとしましたが、全然割に合わないですよね。今となっては子供がいなかったのが本当に救い。男は逃げ得になってしまったけど、もう過ぎてしまったことだし、なるべく気にしないようにしています。神社やお寺にお参りに行ったら『アイツに天罰を与えてください!』って祈ってますけどね(笑)」
人の家庭を壊し、慰謝料を払わずに逃げたことに比べれば、このくらいはかわいいものだ。
<TEXT/トシタカマサ>
【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。